20:モノクロ
交換留学を終えて帰国してしばらくして、ジュリアは夢がモノクロになってしまったことに気がついた。
もともと、夢はフルカラーなのが当たり前だと思っていたので、「色つきの夢を見るか」という問いが雑誌などのの心理系診断にあると、それだけで信憑性を疑ったりしたものだが、あれは本当にあることだったのか。
色が無くなるのは情報量を調節するためだと思う。
でもそこまでして厳選された夢のメッセージを、起きたときほとんど覚えていないのは悔しい。それも毎日毎日繰り返してそうなのだから。
たしかなのは、なんだか懐かしいような楽しいような気持ちで目が覚めることぐらい。
だから悪夢ではないのは確か。
それともう一つ。
色を失った世界でただ一つ、ぼんやりと浮かんでいる、ちょっとあたたかい黄色。――誰かの、髪のいろ。