13:螺旋


恋、なんかじゃないと思う。でも気になる。
あいつになら干渉されてもいい、むしろかまわれたい自分を発見した驚き。
女の子相手だったら、惚れちゃったかも、もアリかも知れないけれど、相手は男でしかも兄貴の親友と来ている。

親友、なのか?
二人が並ぶあんな場面こんな場面が心に浮かぶ。
兄のことを語る彼の嬉しそうな表情。
「佐野の弟」でしかない自分にとって十分嫉妬に値するあの二人の関係は。

そして嫉妬という言葉の重みに足をすくわれた自分は座り込むのだ。
どう考えても同じところをぐるぐるしているという事実に。

兄貴があいつをどう思っているかなんて聞かなくても解る。
自分ほど悩んでいないことも。
悩まず受け入れるところが愛情の深さなのかもと思ってしまうとまた嫉妬の鎖に絡め取られてしまう。

鎖。
兄と自分に共通する二重螺旋の鎖にあいつが気になるこの感情があらかじめ刷り込まれているのかも、なんて愚にもつかないことまで思って。

でもきっと本当は今日も明日も一緒にいる二人が羨ましいだけだったりするのだ。


    

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