03:鬼


寝息が聞こえる。
小さな寝息なのに、何故こんなによく響くのだろう。
ほら、こんなにぐっすりと眠っているよ、と見せつけるように。

寝返りを打つ気配。
今夜は気温が高いから、きっとあいつは布団をはねのけているだろう。
白い素肌を無防備にさらしているかも知れない。

こんな夜は、小鬼が騒ぐ。
あっちも好意を持ってくれているのだから、と俺を唆す。
あいつの秘密を押さえている分こっちが有利だと。

わかった、わかった、と俺は小鬼をやり過ごす。
小鬼たちは不服そうな顔をしていつの間にか消える。

でも俺は知っている。
小鬼がその数を確実に増やしていることを。


    

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