第五席


オリヴィエ 「(リュートをかき鳴らしつつ)ハーイ☆また会ったネ〜」
オスカー 「俺に会いたかったんだろう? お嬢ちゃんたち」
リュミエール 「私たちのために1度ならず2度までのお運び、大変うれしゅう存じます(と、竪琴をポロロン♪)」
オリヴィエ 「さあ今日も今日とてM-1グランプリの予選突破目指してヤルわよん」
オスカー 「おっ、ビミョーに目標が下がってるじゃないか、係長殿」
リュミエール 「そういえば先日は『優勝する』とおっしゃってましたね」
オリヴィエ 「ちょっと”謙虚”になったのよ、私も」
リュミエール 「さすがは係長です。実は私もあれから色々と考えておりました。私たちの漫才のスキルアップの方向性を」
オスカー 「どうも嫌な予感がするぜ。背中に冷たい汗が流れてきやがる…」
リュミエール 「大丈夫です、オスカー様。私は初舞台でのオスカー様の助言を元にこのプロジェクトSを考案したのですから」
オリヴィエ 「助言? ああ、あの『もうちょっと楽器を使ったら』って奴ね」
オスカー 「今の話で俺の背中の汗は冷たさ倍増ってとこだぜ。それにSって何なんだ?」
リュミエール 「少しお待ち下さい。今秘密兵器を持ってまいりますので(と、舞台そでに)」
オリヴィエ 「秘密兵器ってまさか……」
オスカー 「たぶん同じことを考えているんだろうな、俺たち」
のこぎりを抱えたリュミエール登場。
オリヴィエ&オスカー 「やっぱり!」
リュミエール 「オスカー様にこれほど似合う楽器は他にはないでしょう。『中堅ホットブラザーズ』のセンターといえばのこぎりストで決まりです」
オリヴィエ 「あらリュミちゃんたら勝手にトリオ名までつけちゃってるわよ」
オスカー 「ツッコミ所が違うだろ! この俺様にのこぎりを叩かせるつもりか!?」
リュミエール 「もちろん100%危険がないとは申せませんが、オスカー様のためにこうして丈夫な鹿皮の手袋まで御用意させていただきました」
オリヴィエ 「ちょっと何、そんな高級品をこんなファッションセンスのない男にさせることないわよ!カラー軍手で十分じゃないのさ」
オスカー 「お前たち、あくまで俺にのこぎりを持たせる腹なんだな」
オリヴィエ 「だってよーく考えてごらんよ。のこぎり演奏ってーのは芸人の世界じゃもう神の域に達してる秘技だよ。やらせてもらえるだけでもありがたいと思わなきゃ」
リュミエール 「係長のおっしゃる通りです。リュートと竪琴とのこぎりのコラボレーション漫才。これならM-1グランプリ優勝も夢ではないでしょう」
オスカー 「また元の目標に戻すのか?」
オリヴィエ 「一番若手のリュミちゃんがこれだけヤル気出してんだから、オスカー、あんたも先輩なら観念して超一流ののこぎりストにおなり!」
オスカー 「やれやれ。口は災いの元ってか。仕方がない、こうなったら死んだ気でのこぎりの使い手としてその道を極めて、果てはSAT(特殊急襲部隊)にでも入隊してやるぜ」
リュミエール 「では本日はまずその第1歩としてこの手袋をはめて下さい」
オリヴィエ 「これでオスカーの必須アイテムが2つになったワケだね。のこぎり用の手袋と、花粉症対策用の磁気ピアス」
リュミエール 「知りませんでした。オスカー様のピアスにそんな意味があったなんて」
オスカー 「余計なことばかり言うんじゃないぜ、全く…」
リュミエール 「余計なことばかり言うのが漫才です、オスカー様」

素材提供:It's just so so

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