第四席


カティス 「やあお嬢さんたち、『君はバラより美しい』の口説き文句でおなじみ、カティスとゆかいな仲間たちのショータイムへようこそ♪」
ルヴァ 「あー、ゆかいなと言うか、地味めな仲間その1ルヴァでございます」
エルンスト 「私としましては知的な仲間とでも言っておきますか」
カティス 「地のサクリアじゃなかったのにか? エルンスト」
エルンスト 「そ、それは!……」
ルヴァ 「カティス、ダメですよー。いくら漫才だからって言っていいことと悪いことがありますでしょ」
カティス 「はははは。冗談だよ、冗談。ここはサッと流すところだろ?」
エルンスト 「いいえ! 私としましては今のカティス様の言葉を励ましのお言葉と理解し且つ画期的な知的コメディアンの道をまい進する所存(とカティスをにらみつける)」
ルヴァ 「まあまあ。今日はまだ初日なんですから気楽にいきましょうねー、お気楽ご気楽に」
カティス 「じゃあ気楽に互いの趣味の話でも始めるか?」
エルンスト 「ここはお見合い会場ではないのですがね」
カティス 「当たらずと言えど遠からじ、だろう。見渡すところ客席のそこここに美しい人魚が泳いでいるじゃないか」
エルンスト 「全くあなたという方はよくもまあ次から次へと…」
ルヴァ 「あーエルンスト、お客様もきっと敏腕検事殿の趣味が何なのかお聞きになりたいんじゃありませんかねー、うんうん」
カティス 「まさか裁判が趣味というわけでもあるまい」
エルンスト 「そうですねー、しいていうなら”歌”でしょうか。私ほどの歌唱力があれば年間10回ほどはライブができると、ええもちろん単独ライブですが、そんな風にも言われております」
ルヴァ 「それは素晴らしいですねー。歌える検事ですかー。ここで歌ってみてはいただけませんか?」
エルンスト 「お言葉を返すようですが、ここで歌うということは即ち本芸であって趣味ではなくなってしまうのではないですか?」
カティス
「かたい! かたすぎるんだよ、お前は。ちょうどいいタイミングだから言っておこう。俺のささやかな趣味の1つに、お前のようなカチンコチンの頭の奴をグニャングニャンにするっていうのがあるのさ。そのうちきっとお前を歌わせてみせるからな。楽しみにしててくれよ、お嬢さんたち」
 客席から拍手の嵐。
ルヴァ 「これは大変なことになってきましたねー。カティスvsエルンスト。私たちの漫才は格闘系になってきつつありますねー」
カティス 「あおるなよ、ルヴァ。そういえば、既に俺の努力のかいあってグニャグニャになってるお前の、例のあの趣味はまだ続いているのか?」
ルヴァ 「ああ、例のアレ、のことですかー」
エルンスト 「異議あり! 指示代名詞の乱用は避けていただけませんか」
ルヴァ 「あー、申し訳ありません、エルンスト。いえ大声で言うのは少しばかりはばかられるマニア的な趣味なものですから、はい」
エルンスト 「趣味というのは多かれ少なかれマニアックなものです。それにあなたがマニアだと知って驚かれる方も今さらいないのではないでしょうか」
ルヴァ 「意外と言いますねー、あなたも。でもやっぱり言いにくいものですよ、私の今一番はまっている趣味が”密会”だなんて」
カティス 「な、グニャグニャだろう?」

素材提供:千代紙つづり様

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