第二十七席


コレット 「もう出番なの? エルンストさん、どうしよう…」
エルンスト 「落ち着いて下さい。私がついています、どうか安心して下さい、コレットさん」
エルンストに背中を押されるように歩き出すコレット。
コレット 「えー皆さん、ロザリア、レイチェルに引き続きまして私も親子トリオ漫才をやるはめになってしまいました…」
エルンスト 「コレットさん、言葉の選択に少々難があるように見受けられます」
コレット 「あっ、ごめんなさい。もちろん私、こうしてエルンストさんの隣に立てることはとても幸せに感じているんですよ」
エルンスト 「(顔を真っ赤にして)コレットさん、その発言もはなはだ場違いかと…」
子クラヴィス 「私も何ゆえにこの場に連れ出されたのか理解に苦しむのだが…」
エルンスト 「それはつまりジュリアス様のご推薦で、私どもとしましてもいかんともしがたく」
子クラヴィス 「あの者はどうも私のことをかまわずにはいられないとみえるな」
コレット 「そうなんです。しかも『光と闇のファンタジー漫才をさせよ』なんて無理難題をおっしゃるんですよー」
子クラヴィス 「ますます頭の痛いことだな。医務室へでもかけ込むか」
エルンスト 「今しばらくお待ち下さい。私なりに知恵をしぼり『光と闇のファンタジー漫才』なるものを考えてまいりましたので」
コレット 「どうか私に免じてこのクソマジメなエルンストさんを許してあげて下さい」
子クラヴィス 「一体この私に何をせよと申すのだ」
エルンスト 「クラヴィス様には登校拒否児童を演じていただければと。まさにうってつけの配役かと思われますが」
子クラヴィス 「それで、お前たちは何役なのだ?」
エルンスト 「もちろん私たちは両親役です。しかしその正体は、父親がエルフで母親が妖怪人間ベラなんです」
子クラヴィス 「そのセリフ、マジメなトーンでよく言えたものだ」
コレット 「ちょっとエルンストさん、いくら光と闇だからって、それじゃあヒドすぎません?」
エルンスト 「いいえ! この設定だけは変更するわけにはまいりません」
子クラヴィス 「まあよかろう。とにかく私は自室にひきこもっておればいいのだな」
エルンスト 「はい。第1幕は母親が子供を説得する場面からです」
コレット 「クラヴィス、ここを開けなさい! 開けないとムチでひっぱたくよ」
エルンスト 「コレットさん、なかなかベラの雰囲気が出てますよ」
コレット 「そうですか? じゃあさらに調子に乗っちゃおうかしら。あたしゃグズグズした男が大っきらいなんだよ! ペシペシ!」
子クラヴィス 「まるでお前は『北風と太陽』の北風の如くだな。そのような母に心を開く子はいまい」
コレット 「あんな生意気なこと言って。お父さん、お父さんからも何とか言って下さいよ」
エルンスト 「クラヴィスよ、腹をすかしているのではないか? 家の近くに最近オープンしたファーストフード店がある。皆で行ってみないか?」
子クラヴィス 「腹はすいているがここから動く気はせぬな」
コレット 「あら残念だね。そのお店の制服がとってもエロカワイイって評判なのに…」
子クラヴィス 「フッ、さすが母親。私の弱点を知り尽くしているな」
エルンスト 「そして第2幕。ファーストフード店で親子3人が食事中の場面となります」
コレット 「最近はファーストフードと言っても味の工夫がされててあなどれないわよねー」
エルンスト 「同感です。私は本来妖精のバターで作った焼き菓子しか食さないのだが、このミートパイはなかなかいける」
子クラヴィス 「制服のポイントも高い方であろう。私にも似合うように思うのだがどうだろうか?」
エルンスト 「良いことを思いついたぞ! クラヴィス、明日からこの店の制服を着て学校に行きなさい」
コレット 「それはいいわ! ジュリアスともおそろいで」
子クラヴィス 「フッ、あの者が私ほど着こなせるかどうか」

素材提供:It's just so so

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