第十七席


 
オリヴィエ 「(リュートをかき鳴らしつつ)ハーイ☆どーも〜」
オスカー 「(のこぎりを叩きながら)プレゼントなら後にしてくれよ、お嬢ちゃんたち」
リュミエール 「ようこそ皆様。このような大きな拍手に迎えられまして、ほのかな自信がわき上がってくる心地がいたします(と、竪琴をポロロン♪)」
オリヴィエ 「あーらリュミちゃん、今日はヤケにやる気じゃーん」
リュミエール 「はい。先日過去のM-1グランプリのDVDをレンタルしてまいったのですが、それを拝見して大変士気が上がってきました。乞御期待下さい」
オスカー 「さてはまた怪しげな”絵かき唄”でも作ってきたんだな?あいにくだがノーサンキューだぜ。俺にはな」
オリヴィエ 「ちょっとなによ、そのフリ。私に歌わせようっていうんじゃないだろうね」
オスカー 「係長のセクシーヴォイスを使わない手はあるまい。なにせあまりにセクシーすぎて無線ジャックされたくらいだからな」
リュミエール 「そんな経験がおありなのですか?」
オリヴィエ 「まーね。そいつ変な奴でさー、私の『現場に急行します!』ってフレーズがやたら好きだったらしいのよねーって何ヤーナこと思い出させてくれんのよ!」
リュミエール 「なるほどー。そういうことなら本日作ってまいりました『始末書小唄』はぜひ係長に奏していただきたく存じます」
オリヴィエ&オスカー 「『始末書小唄』!?」
リュミエール 「はい。リュートで小唄というのも斬新なのではないでしょうか」
オリヴィエ 「斬新なんだか残念なんだか…」
オスカー 「潔くあきらめるんだな。心配ない、いざという時にはのこぎりで合いの手を入れてやるから」
リュミエール 「ではまず私が歌ってみますのでお聞きになって下さいね。
  ♪坊や〜よい子だ ドロ吐きな〜」
オリヴィエ 「いきなりパクリで始まるの?」
オスカー 「まー最後まで聞いてやれって」
リュミエール 「むかーし昔のことじゃったー、ある村にいたずら好きな河童が住んでおったそうなー」
リュミエールから離れ、オスカーを手招きで呼び出すオリヴィエ。
オリヴィエ 「ねーねー、オスカー、私いつも言ってるよねぇ。始末書の基本は『いつ』『どこで』『何があったのか』を正確に書くこと!ってさー」
オスカー 「だな。『昔』『ある村』じゃアバウトにもホドがあるってもんだ」
リュミエール 「(雑音を消すかのように竪琴を鳴らし)村人は河童をこらしめるために木にしばりつけたんじゃ。すると河童は泣いて詫びを入れたそうな。
  ♪ごめんなさい〜畑のキュウリを盗ったのも〜牛のおしりを蹴ったのも〜みんなみんなオイラがやったのさ〜チョイナチョイナ」
オリヴィエ 「あら、犯罪歴はやたら具体的じゃなーい☆」
オスカー 「犯罪者の種別にはおかまいなしか!?」
リュミエール 「では採用していただけるのですね?(と、オリヴィエたちにすり寄る)」
オリヴィエ 「ま、誰かさんの口紅のついた始末書よりはマシかもねー」
リュミエール 「まさか! その口紅のついた始末書というのはオスカー様の!?」
オスカー 「俺の仕事にヤキモチをやいたレディがいたのさ。眠っている隙に口紅で『謝ってすむなら警察はいらないもんっ』なんて可愛く落書きして、アレにはまいったぜ。とんだ”愛の始末書”ってとこだな」
オリヴィエ 「始末書の始末書を書かされたのってたぶんアンタだけでしょ」
リュミエール 「そこまでしなくても…。私は、本来過ちというものは責めるものではなく、許すものだと考えております」
オスカー 「さすがはリュミエールだ。乙女としてのしつけがちゃんとなされている」
リュミエール 「そんな…ほめすぎです」
と、赤面している。
オリヴィエ 「ほめちゃいないんだけど」

素材提供:It's just so so

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