アンジェポンタン企画
守護聖様たちの9人制バレー
4.守護聖全員集合!?
○アンジェリークの部屋(夜)
夕食を終え、くつろいでいるアンジェリーク。 と、ピンポーン!とドアチャイムが鳴る。 |
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オリヴィエ | 「はあい、アンジェリーク。日頃お世話になってるマネージャーをねぎらおうと思ってね。差し入れだよー」 | |
包みを受取り、臭っているアンジェリーク。 | ||
オリヴィエ | 「大丈夫。ドリアンじゃないよ」 | |
アンジェリーク | 「メロンだ! 早速切りますねー」 | |
向い合って、メロンを食べ始める二人。 | ||
アンジェリーク | 「オリヴィエ様、ごめんなさい。あれから一週間もたつのに、守護聖様を、全員コートにお誘いできなくて…」 | |
オリヴィエ | 「何言ってんだよ! アンジェリークには感謝してるんだよ。リュミエールやオスカーが来てくれたのだって、アンジェリークのおかげじゃないか」 | |
アンジェリーク | 「でも…」 | |
オリヴィエ | 「アンジェリークには、そんな暗い顔、似合わないよ。それにいい知らせがあるんだ」 | |
アンジェリーク | 「いい知らせ?」 | |
オリヴィエ | 「実はゼフェルのことなんだけど、ルヴァが説得をしてくれることになったんだ。何だか自信ありげだったよ」 | |
アンジェリーク | 「よかった。ゼフェル様も、もう少し素直になって下さればいいんですけど」 | |
オリヴィエ | 「でさあ、残る問題児は例の二人ってことになるんだけど、一つ名案が浮かんじゃってねー」 | |
と、アンジェリークの側に回ってきて密談を始める。 | ||
アンジェリーク | 「オリヴィエ様の鼓動が聞こえる…」 | |
みるみる真赤に染まるアンジェリーク。 |
◯ゼフェルの執務室・前(夜)
ラケットを抱え、戻ってくるゼフェル。 | ||
ルヴァ | 「いい汗をかいてきたようですね」 | |
ゼフェル | 「ウワッ!…」 |
◯公園(朝)
日の曜日の公園。ロザリアに強引に腕を組まれ、やってくるクラヴィス。 | ||
ロザリア | 「せっかくのデートなんですから、もう少し楽しそうにして下さいません?」 | |
クラヴィス | 「これはデートではなく、ただの休息だ。覚えておくのだな」 | |
ロザリア | 「もうっ、クラヴィス様ったら」 |
◯ジュリアスの執務室(朝)
実は秘かに演歌好きなジュリアスが、目を閉じて曲に聞き入っている。 | ||
歌声 | 「♪〜不埒な恋と呼ばれようと恋は恋〜」 | |
と、飛込んでくるアンジェリーク。 | ||
アンジェリーク | 「ジュリアス様、外はいいお天気ですよ。公園にでも行きませんか」 | |
髪をふり乱しつつ間一髪で曲を止めたジュリアス。 | ||
ジュリアス | 「不埒だぞ、アンジェリーク」 |
○公園(朝)
公園に着いたとたん緊張気味のアンジェリーク。 | ||
ジュリアス | 「…どうしたというのだ。もしかして彼女の想い人というのはこの…」 | |
アンジェリーク | 「ジュリアス様!」 | |
ジュリアス | 「な、なんだ」 | |
アンジェリーク | 「今日は、質問の方は?」 | |
ジュリアス | 「ほう、自ら質問を乞うとは感心なことだな。では聞こう、エリューシオンの建物数はフェリシアより多いのか?」 | |
アンジェリーク | 「悔しいけど負けています。でもでも、たったの2センチですヨ!」 | |
ジュリアス | 「2センチ? 何のことだ??」 | |
アンジェリーク |
「でも私、ロザリアに言ってやったんです。『ジュリアス様は確かにクラヴィス様より2センチ身長が負けているかもしれないけど、ジャンプ力では絶対に負けない』って!」 | |
と、涙ながらに訴えるのだ。 | ||
ジュリアス | 「こら、落ち着かぬか」 | |
そこへ現れるクラヴィスとロザリア。 | ||
ロザリア | 「いったい何の騒ぎ?」 | |
アンジェリーク | 「ロザリア! クラヴィス様も一緒だなんて丁度いい機会だわ。勝負よ、勝負!」 | |
神鳥の像の陰で見守るオリヴィエ。 | ||
オリヴィエ | 「うーん、なかなかの名演技だよ」 |
◯公園裏の広場
いつのまにかコートの中央に垂直飛び測定板が用意されている。 その前で対峙しているジュリアスとクラヴィス。そしておもむろに指先にチョークの粉をつけるのだ。 息をのんで見守るアンジェリーク、ロザリア、守護聖たち。 最初にジュリアスが片手を上げ、測定板に印をつけた。 |
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ジュリアス | 「アンジェリーク、よく見ておけ」 | |
アンジェリーク | 「はい」 | |
あくまでも優雅に、身体を沈めたかと思うと、華麗に舞い上がるジュリアス。 感動のため息をもらす一同。 |
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オスカー | 「ムムッ、65センチか…。この俺も危うく抜かれるところだぜ」 | |
続いてクラヴィスが測定板の前に。 | ||
ロザリア | 「がんばって、クラヴィス様(はぁと)」 | |
クラヴィス | 「…フッ、くだらんな。今日はこれで帰らせてもらう」 | |
ジュリアス | 「何だとオーッ! この後に及んで、不埒だゾオ、クラヴィス!」 | |
怒り心頭のジュリアスを尻目に、音もなく去っていくクラヴィス。 | ||
クラヴィス | 「気軽に私の力を利用されては、困るのでな」 |
【挿入歌 石川さゆり「純・情歌」】
JASRAC許諾J011204610
光様の垂直飛びにくらくらしたの、私だけじゃないよね?
個人的には手土産をくんくんするアンジェが好きだったりする……