アンジェポンタン企画

守護聖様たちの9人制バレー


3.オスカーのウィークポイント

○リュミエールの執務室・テラス

クラヴィスが訪れている。
リュミエール 「アイリッシュカフェをどうぞ。クラヴィス様」
クラヴィス 「すまぬ。気を使わせたな」
リュミエール 「いいえ」
と、描きかけの絵に向かう。
クラヴィス
「アンジェリークにも困ったものだ。
女王試験中だというのに、バレーボール大会などに夢中になっている」
リュミエール 「私の所にも参りました。練習を見るだけでもかまわないからと」
クラヴィス 「お前の所にまで。あきれるな」
リュミエール 「どうなさるおつもりですか」
クラヴィス 「答えるまでもない。そんな戯れ事には付き合えぬ」
 筆を置くリュミエール。
リュミエール 「それは残念です。私は明日からでも参加するつもりでおります」
クラヴィス 「今、何と?!」
リュミエール
「私は、争うことは好みません。しかし今度のことで守護聖全員が集まるということに意義があるのではと。
ただアンジェリークには、この絵が完成するまで、待ってはもらえまいかと申し伝えました」
クラヴィス 「…フッ、どうやら事態は思った以上に深刻なようだな」

 ◯公園裏の広場(翌日)

練習しているオリヴィエたち。
木陰で見物しているギャルたち。
ギャル1 「ねえ見て、リュミエール様よ。あのお美しい指をお痛めにならないかしら」
ギャル2 「それよりオスカー様はどうして今日もいらっしゃらないのかしら。つまんなーい…」
ギャル3 「ホント、つまんなーい」
オスカー 「(突然後ろから)うれしいこと言ってくれるねえ、お嬢ちゃんたち」
ギャルたち 「キャーッ、オスカーさまあ(はぁと)。」
オスカー 「まあ『強さ』を司るこのオスカー様がいなければ、彼らの涙ぐましい努力も報われまい。お嬢ちゃんたちも、俺の情熱的な姿を、その目に焼き付けてくれよ」
既にギャルたちは失神状態である。
オスカー 「さあオリヴィエ、スパイク練習を始めようじゃないか」
アンジェリーク 「オスカー様!」
オリヴィエ 「やっとおでましになったね。残るはあと3人か」

 ◯スカッシュ・コート

 激しく壁と打ち合っているゼフェル。
ゼフェル 「何がバレーだ。大勢でチャラチャラしやがって。俺の相手は壁一つでたくさんだゼ!」

 ◯公園裏の広場

オリヴィエのトスを次々と打ち込むオスカー、ランディ、リュミエール。
球拾いをしているマルセルとルヴァ。
マルセル 「3人ともカッコいいですねえ、ルヴァ様」
ルヴァ 「あーそうですね。それぞれが特徴をいかしたスパイクと言えるでしょうねえ。ランディは風のように舞う、滞空力のあるスパイク。リュミエールは、高い打点から、予想を見事に裏切る威力のないスパイク。オスカーは、破壊力抜群のスパイク。ただ惜しむらくは…」
と、オスカーに向っていく。
マルセル 「ルヴァ様、あぶない!」
と、ルヴァの頭を直撃するオスカーのスパイク。コートに倒れたルヴァを抱き起こすオスカー。    
オスカー 「しっかりしろ!」
ルヴァ 「…思っていたより威力がありましたね。でもオスカー、気を失う前に、あなたに忠告しておきたいことが2つあります」
オスカー 「何です!?」  
ルヴァ 「まず1つ目は、スパイクを打つ時はその剣をお外しなさい。そうすればあなたのジャンプ力は、あと2割強増すでしょう」
オスカー 「わかった、言うとおりにしよう。で、もう1つは?」
ルヴァ 「2つ目は、そう簡単なことではありません。オスカー、あなたのジャンプは、上ではなく、前に飛んでいます。従って、あなたのスパイクは、全てネットタッチで相手側の得点となります。前飛びはスパイカーとして、致命的な欠点と言えるでしょう。早急に修正を…」
 と、気を失ってしまう。
オスカー 「そりゃあないだろう。気を失いたいのは俺の方だよ」
担架でルヴァを運んでいくマルセルとランディ。
オリヴィエ 「うーん、エースポジションはオスカーの予定だったんだけど、こりゃ考え直す必要がありそうだねえ」

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リュミエール様のジャージ姿(勝手にジャージと決めつけている)にくらくらしているちゃん太です……すばるの友達やっててよかった……
さてここまでで、すばるの愛を一心に受けているのがどの方か気がついた方、いらっしゃるでしょうか?ふふふ。

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