ルヴァ様コスプレ劇場

CAST3    きつねのレッド(山ねずみロッキーチャック)
      「本能」


<お話の背景>
  すでに初雪もふり日に日に冬めいていく緑が森。山ねずみのロッキー
  ・ポリー、リスのチャタラーたちは冬ごもりの準備に忙しい。

<登場人物&キャスト>

きつねのルヴァ・レッド  
山ねずみのマルセル・ロッキー
山ねずみのアンジェ・ポリー
うさぎのランディ・ピーター
かけすのゼフェル・サミー
リスのオスカー・チャタラー
かわうそのリュミエール・ジョー
くまのクラヴィス・バスター
意地悪いたちのジュリアス
きつねのオリヴィエ・グラニー レッドの祖母


 

○緑が森

きつねのルヴァ・レッドがスキップをして歌いながらやって来る。
ルヴァ・レッド 「♪ジャスミンの丘のてっぺんは おひるねするのによいところ こっくりこ〜こっくりこ」
と、落ち葉がはらはらと頭にかかる。
ルヴァ・レッド 「あー、落ち葉はまもなく雪に変わるんでしょうねー。森の皆さんも冬ごもりの準備にお忙しいことでしょうねえ、うんうん」

○マルセル・ロッキーの家・前

 冬ごもりの準備で食べすぎて眠そうに横になっているマルセル・ロッキー。
アンジェ・ポリー 「(ロッキーを揺り起こしながら)ロッキー、準備まだ残ってるんでしょ。眠っちゃダメよ」
 と、バク転しながら陽気にやって来るランディ・ピーターうさぎ。
ランディ・ピーター 「(あくまで爽やかに) やあ、二人とも、ずい分太ったね」
アンジェ・ポリー 「失礼ね!」
マルセル・ロッキー 「ぼくたちは冬ごもりの間は何も食べないから、その前にいっぱい食べて太っておくんだよ。参考になった?」
ランディ・ピーター
「ハハハハ、そうだったね。ところで、あさってひっそり松の下で冬ごもりをする寒がりやさん達とのお別れパーティをするんだ。もちろん来てくれるよね!」
ルヴァ・レッド 「あのー、そのパーティ、私も是非参加させて頂きたいのですが…」
マルセル・ロッキー 「レッドだ!」
 と、家の中に素早く隠れる3匹。
ルヴァ・レッド
「ああ、そうですよね…。
 いつもあなたがたを食べようとしている私では不釣り合いですよね。…はあ…」
そこへバッタバッタと飛んでくるかけすのゼフェル・サミー。
ゼフェル・サミー 「ったく、おめーら、せっかくレッドが来たいってんだから、いーじゃねーかよ。ケチケチすんなって」
マルセル・ロッキー 「ケチケチって…」
ルヴァ・レッド 「サミーはやっぱり優しい子なんですねー、うんうん。ではお言葉に甘えて、あさってのパーティ、楽しみにしていますねー」
 と、又歌いながら去っていく。
 家の中から出て来る3匹。
アンジェ・ポリー 「もうっ、サミーったら、どうしてあんなこと言ったりするの!?」
ゼフェル・サミー
「しょうがねーな。教えてやっか。レッドのおっさんは今朝ブラウンさん家のにわとりをたらふく食ったから、腹いっぱいなんだ」
ランディ・ピーター 「なるほど、それなら安心だね。ハハハハ…」
 つられて笑うロッキーとポリー。
 そこへクルミの実をコキコキ鳴らしながら登場するリスのオスカー・チャタラー。
オスカー・チャタラー 「呑気に笑ってていいのかな、お嬢ちゃん」
アンジェ・ポリー 「チャタラー…」
オスカー・チャタラー
「あさってになったらレッドの奴、お腹がすいてるかもしれないぜ。ま、その時は俺が守ってやるがね。但し、ホレるんじゃないぜ」

○ひっそり松(翌々日)

 パーティ会場に、魚をどっさり運んでくるかわうそのリュミエール・ジョー。
 早速1匹つまみ食いするくまのクラヴィス・バスター。
クラヴィス・バスター 「フッ、美味だな…」
リュミエール・ジョー 「私の魚を喜んで下さる方がいらっしゃると思うと、とてもうれしいですね」 
レッド以外のメンバーは全員そろった。
ランディ・ピーター 「じゃあパーティを始めようか。ねえバスター、バスターはどんな風に冬ごもりをするんだい?」
クラヴィス・バスター 「フッ、ただ眠るだけのことだ。時々は目を覚ますが」
ゼフェル・サミー 「どっちなんだよ!」
アンジェ・ポリー 「チャタラーもあっちこっちの木に木の実の倉庫を作ってるみたいね」
オスカー・チャタラー 「俺の愛の巣は無限に存在するのさ。よかったらお嬢ちゃんも1度来てみるかい?」
マルセル・ロッキー 「そういえばじいさま蛙はどうしたんだろう?」
リュミエール・ジョー 「じいさま蛙は一足先にお眠りになられました。皆様にくれぐれもよろしくとのことでしたよ」
ランディ・ピーター 「俺にとっては家族みたいなものだから、ロッキーたちと春まで会えないなんて、すっごく淋しいよ」
ゼフェル・サミー 「けっ、心配すんなって。オレは冬ごもりなんてかったるいことはしねえから、たっぷり遊んでやっからよ」
ランディ・ピーター 「いいよ、お前は寝てて」
ゼフェル・サミー 「ぬぁんだとー!?」
マルセル・ロッキー 「二人とも! 仲良くしようよ」
それなりに盛り上がってくるパーティ。

○ひっそり松そばの草むら

 身を伏せてじっと見ているルヴァ・レッド。その背後に忍びよる影――意地悪いたちのジュリアスである。
ジュリアス・いたち 「ほう、さすがに狙いは同じのようだな」
ルヴァ・レッド 「ち、違いますよ! 私は今日は純粋に森の皆さんと語らいに来たわけでして、そのー決して食べようだなんて」
と、レッドのお腹がグーと鳴る。
ジュリアス・いたち 「(不敵に笑い)本能には逆らえぬぞ。まあお前がどうしようが、私には関係ない。己の信ずる道を行くまでのことだ」
と、パーティ会場へと駆け出す。

○ひっそり松

 突然いたちに襲われ、パニック状態の中、1匹だけ爆睡しているバスター。
 バスターを起こそうとするロッキー達だが、らちがあかない。
 そこへいたちが走り込んでくるが、うまい具合に寝返りをうったバスターの下敷きになってしまう。
ジュリアス・いたち
「こ、こともあろうに、こんな怠け者の下に組み敷かれるとは…。
 恥辱の極み、クッ…」
オスカー・チャタラー 「チャンスだぞ!」
クルミの実を投げつけたり、サミーがくちばしで突っついたり、一致団結して、とうとういたちを撃退する。
ゼフェル・サミー 「あーばよーっ!」
リュミエール・ジョー 「(一人だけ悲しげに)いつのまにか私の魚がなくなっているようですね…」

○ルヴァ・レッドの家・中

 数匹の魚を前にして、思い切り落ち込んでいるルヴァ・レッド。
オリヴィエ・グラニー 「レッドが私に魚をこんなにプレゼントしてくれちゃうなんて、人生長生きしなくっちゃね!」
ルヴァ・レッド 「ねえ、おばあさま…」
オリヴィエ・グラニー 「あらどうしちゃったの? 早く食べないと味落ちちゃうヨーン」
ルヴァ・レッド 「…やはり…知性は本能には勝てないのでしょうか。一体”本能”とは何なのでしょう!?」
 無視して食べ始めるグラニー。
ルヴァ・レッド

「いいえ、これは本能というよりむしろ煩悩なのかもしれません。私はあれほど今日は森の皆さんと楽しく過ごすのだと心に誓ったはずですのに、ただ魚を奪ってきただけだなんて…。うー、『煩悩の犬は追えども去らず』…この私の心身を惑わせ、汚す営みを、どうすれば解脱できるのでしょうか、おばあさま」
オリヴィエ・グラニー 「ホント、レッドはまだまだコ・ド・モなんだから。さ、早く食べないと、なくなっちゃうヨ」
ルヴァ・レッド 「そうですねー、食べないというのも、お魚に対して失礼ですかねー」
と、ムシャムシャ食べ始める。
ルヴァ・レッド 「…しかし本能とは…」

○ひっそり松

 ようやく目を覚ましたバスター。
クラヴィス・バスター 「私としたことが…。…… ところで、何かあったのか?」
アンジェ・ポリー 「バスターったら!」
 ロッキー達の笑い声が森にこだましていく――。

やはり、全員活躍!ってわけにはいかない(長いの嫌いだし)ので、消化不良気味かと思われますが、とりあえず。(すばる)

例によって「光様悪役にしてしまったけれど、いい?」とすばるが心配してくれたのですが、
光様めっちゃカッコイイ役!と思ってしまうちゃん太ののーみそは腐っているのでしょうか?

CAST2へ   CAST4/テリーへ

すばる劇場に戻る