ルヴァ様コスプレ劇場

CAST9  おじいちゃん(ちびまる子ちゃん)
      「一芸」


<登場人物&キャスト>

ルヴァおじいちゃん
アンジェまる子
オスカーおとうさん
ジュリアス丸尾くん まる子のクラスの学級委員
ロザリア野口さん まる子の友だち
電気屋ゼフェル

 


○さくら家・居間(夜)

夕食中のさくら家。オスカーおとうさんが一人テレビの野球中継で盛り上がっている。
オスカーお父さん 「ほう、逆転ホームランってのも悪くない。この瞬間が、生きていることを実感できる時だぜ」
と、ビールを一気に飲み干す。
アンジェまる子 「ねえお父さん、8時から百恵ちゃんのドラマがあるから見せてね」
オスカーお父さん 「お嬢ちゃん、悪いが今日はゆずれないな。全く俺って男は罪な男だぜ」
アンジェまる子 「エーッ!?」
ルヴァおじいちゃん 「あー、私も百恵ちゃんが見たいので、今夜のところはゆずってもらうわけにはいきませんかねー」
オスカーお父さん 「又そうやってじいさんはまる子を甘やかす。罪作りだぜ」
ルヴァおじいちゃん


「うーん、わかっててもまる子にはつい甘くなってしまうのですよー。なにせ『孫は目に入れても痛くない』って言いますからねー。そりゃあ痛くないわけないんですがねー。うー、ちょっと待って下さい。『孫飼わんより犬の子飼え』なんてことわざもありますねー。孫よりも犬の子の方が恩を忘れないってことですが、まる子に限ってそんなことはありませんよねー、うんうん」
アンジェまる子 「よーし、おじいちゃんがすっとこ話をしてる隙に、チャンネル変えちゃおっと」
と、テレビに近付くが…
オスカーお父さん 「おっとまる子、俺を出し抜こうなんて、十年早いぜ」
アンジェまる子 「アーン、もう、絶対見るったら見るんだから!」
と、実力行使に転ずる。
オスカーお父さん 「お嬢ちゃん、この俺に逆らおうっていうのかな?」
と、醜いチャンネル争奪戦が始まる。
ルヴァおじいちゃん 「(しばらくおろおろと二人を見ているが)おやめなさあーい」
と割って入り、テレビからチャンネルをもぎ取ってしまう!
突然砂の嵐状態になるテレビ画面。
ルヴァおじいちゃん 「…こわれた??」
オスカーお父さん
& アンジェまる子
「いや、こわした」

○同・玄関(翌朝)

テレビを運び出す電気屋ゼフェル。
電気屋ゼフェル 「じゃ、ちゃんと修理してやっからな。腕が鳴るぜ」
アンジェまる子 「どれくらいかかる?」
電気屋ゼフェル 「そうだなあ、一週間もありゃ直っちまうぜ」
アンジェまる子
「そんなにぃ! それじゃドリフのスペシャルに間に合わないよー。せっかくロザリア野口さんと一緒に見る約束したのにぃ〜(と半ベソ)」
電気屋ゼフェル 「げ、何だよ、泣くんじゃねーよ。しょうがねーな、おめーのためにできるだけ早く直してやっから、待ってな」
アンジェまる子 「うん…」

○まる子の教室

ため息をつくアンジェまる子。
ジュリアス丸尾くん 「さくらさん、元気がないようだが、どうかしたか?」
アンジェまる子 「丸尾くん…実はうちのテレビがこわれちゃってさ…」
ジュリアス丸尾くん

「ズバリ、そんなことで落ち込むのは愚かの極みであろう。私達はテレビ等の情報に踊らされる存在であってはならない。過度の情報は、実は私達の自由を束縛しているのだ。お前はむしろ今の自由を喜ぶべきではないのか?」
アンジェまる子 「学級委員の言うことって、立派すぎてわかんないよ」

○さくら家・居間(夜)

アンジェまる子 「やっぱりテレビがないと、つまんないよ…」
ルヴァおじいちゃん 「まる子や」
と、襖のかげから顔を出す。
アンジェまる子 「おじいちゃん、何?」
ルヴァおじいちゃん 「あー、まる子に見せたいものがあるのですが、今いいですかー?」
アンジェまる子 「いいけど…」
ファンファーレとともにシルクハットをかぶったマジシャン姿で登場するルヴァおじいちゃん。
さっそく本を使ってジャグリングを始めるのだ。
ルヴァおじいちゃん 「ハッ、ハッ。さあだんだんと本の数が増えてまいりまーす。ホッ、ホッ、ホッ…」
アンジェまる子 「ウワァー、おじいちゃん、すごーい(と拍手)」
オスカーお父さん 「何を騒いでるんだ?」
アンジェまる子 「あっ、お父さん。お父さんも一緒に見ようよ。すごいんだから」
ルヴァおじいちゃん 「あーでは次は”お茶マジック”をやりましょうかねー」
と、麦茶の入ったコップを取出す
ルヴァおじいちゃん 「えーこのコップの麦茶が、こうして身体の後ろを回すと、ウーロン茶に変わるってマジックなんですがねー」
オスカーお父さん 「それ、知ってるぜ」
アンジェまる子 「アハハハ。おもしろい、おもしろい…」
ルヴァおじいちゃん
「次はですねー、ちょっぴり危険なマジック”火の玉飛ばし”をやってみましょうかねー。実はコレ、老人会でクラヴィスおじいさん直々に教わったばかりの芸なのですよー」
と、部屋が急にまっ暗になって、青白い炎が一つ二つと宙に舞い始める。
抱き合って見ているアンジェまる子とオスカーおとうさん。
アンジェまる子 「お父さん…火の玉が大きくなってこっちにくるよ。こわいよぅ」
オスカーお父さん 「この俺にこわいものなどありはしない。ありはしないが、今は君を離しはしない」
と、さらにまる子を抱き寄せる。
巨大な火の玉が二人の目の前に迫り、突然フッと消えてしまう。
抱き合ったまま固まっているまる子達。
ルヴァおじいちゃん 「はて、ちょっと刺激が強すぎましたかねー、うんうん」
 × × ×
長い釣竿を用意するおじいちゃん。
ルヴァおじいちゃん 「ではいよいよ最後の出し物”釣りマジック”でございます」
オスカーお父さん 「よっ、待ってました!」
ルヴァおじいちゃん 「この釣竿は投げ釣り用のものなんですがねー、ここで一口メモ。投げ釣りでより遠くへ投げるコツは、肩より後ろから身体全体で大きく振ることなんですよー」
 と、実演してみせる。
ルヴァおじいちゃん 「今のように竿をキレイに曲げ竿全体の反撥力を利用するんです」
こそこそメモをとっているおとうさん。
ルヴァおじいちゃん
「あーではマジックを始めましょう。ここにトランプがあります。
 そこのとびきり可愛いお嬢さん、私が一枚ずつ置いていきますので『ストップ』と言って止めて下さいねー」
次々とトランプを置くおじいちゃん。
アンジェまる子 「ストップ!」
ルヴァおじいちゃん 「はいありがとう。ではこのトランプの数字を皆さんにお見せしましょうかねー。はい、熱いハートのエース」
オスカーお父さん 「ちょっと待ってくれ。そいつは俺の専売特許だぜ。それにこれのどこが”釣りマジック”なのかな?」
ルヴァおじいちゃん 「ええ実は私、このトランプのカードを予言しておいたのですよー。
 うー、それをこれからこの釣竿で御披露しようかと思いましてねー」
と、釣竿をかまえ呪文を唱え出す。
ルヴァおじいちゃん 「…火の曜日はオスカー、赤髪ふるわせプチナンパ、楽しい火の曜日、楽しい火の曜日…」
そしてオスカーおとうさん目がけて釣竿を投げると、先に一枚の紙切れが引っ掛かる。
ルヴァおじいちゃん 「さあよーく見て下さいねー」
と、紙切れを開くと、確かにハートのエースの形に切り抜かれていた!
オスカーお父さん 「アレは俺のメモ…一体いつの間に? おそれいったぜ」
大喜びでおじいちゃんに抱きつくまる子。
ルヴァおじいちゃん 「まる子に喜んでもらえたら、私はそれだけでうれしいのですよー。テレビをこわしたせめてものお詫びです」
アンジェまる子 「テレビよりおじいちゃんの方がずっとおもしろいよ。ねぇまる子にも教えて、教えて」

○同・表(夜)

 窓ごしに見ている一人の人影――振返るとそれはロザリア野口さんだ。
ロザリア野口さん 「あーあ、又一人逸材を見つけてしまいましたわ、キッキッキッ…」

 


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さすがに今回は、<お話の背景>はいらないかと。丸尾くん、アニメの声はリュミ様だけど、キャラ的にはやっぱジュリ様だよね。(すばる)

ルヴァおじいちゃん、はまりすぎ。そして炎様にこんなにお父さん役が似合うなんて。
オスアン派の方やルヴァアン派の方は、これをどうごらんになるのでしょうか……
で、次回はいよいよ最終回です。

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