ルヴァ様コスプレ劇場

CAST5  番場 蛮(「侍ジャイアンツ」)
      「孤高」


<お話の背景>
 巨人軍を内側から食い破ると宣言して入団した蛮。
 反逆児蛮に対し、川上監督は二軍の紅白戦という名目の17対1のケンカ野球をふっかけた。

<登場人物&キャスト>

番ルヴァ蛮
長嶋茂雄
八幡 蛮の先輩 唯一の蛮の味方
富樫  蛮の先輩 二軍のリーダー格
王貞治
川上監督

 


○多摩川グランド

 整列している二軍選手にまじって蛮もいる。背番号は「4」だ。
川上監督 「明日、一軍の選手を審判として、二軍の紅白戦を行う。蛮、お前ももちろんスタメンだ」
番ルヴァ蛮 「あー、二軍というのは、多少力も入りかねるかと思いますがねー」
川上監督 「これだけは言っておくぞ。お前の入ったチームの選手が必ずしもお前を助けるとは限らん、ということだ」
番ルヴァ蛮
「うー、なるほどねー、ということは1対17の絶体絶命な状況もあり、だと言えますかねー。まあ、仕方がないですかね。この背番号の『死』を背負った時から、覚悟はできていましたからねー、うんうん」

○合宿所・娯楽室(夕)

 蛮以外の二軍選手が全員集まっている。
富樫 「いいか、よく聞くんだ。明日は、バッターは蛮を目がけて打ち返せ。味方の野手は背中を向けている蛮を目がけて返球しろ。そして、ピッチャーフライの時は内野手全員が蛮を目がけて突っ込め」
八幡 「なんてひどい作戦会議なんだ…」

○多摩川グランド(翌日)

 なんと球審が長嶋、塁審が王・柴田・黒江という夢のような審判団で、紅白戦が開始される。
番ルヴァ蛮 「♪マウンドの土の上は 貸切りの地獄です〜」
 と、投球練習に入ろうとした矢先、
川上監督 「蛮! お前は字が読めんのか。お前はピッチャーではなく、ライトだぞ」
番ルヴァ蛮 「ライトですかあ? 私、こう見えても体重が65キロありまして、ライト級ではないと思うのですがねー」
八幡 「それはボクシングだろっ」
× × ×
長嶋 「プレイボーイ!」
 ライトのポジションから瞬く間に、長嶋の前ヘダッシュしてくる蛮。
番ルヴァ蛮 「あのー、長嶋さん、『プレイボーイ』ではなく、『プレイボール』ですよ」
長嶋 「ジャスト・ジョーキングだよ。しかし君の今のダッシュは、まさにキックな蹴りだったね〜」
番ルヴァ蛮 「うー、さすがお目が高い。私はフロム砂漠ばっかりの星ですから、脚力にはモア自信があるのですよー」
長嶋 「そうか、覚えておくよ。えーっと確か『桑田君』だっけ?」
番ルヴァ蛮 「いやですねー、桑田君はPL学園ですよ。アレ、LPガスでしたっけ?」
長嶋 「だったら、セコムしないと」       
訳のわからないやりとりに周りがあっけにとられている中、しびれを切らした川上の怒号がとぶ。
川上監督 「コラァ! はよ始めんかっ!」
 × × × 
 3回裏。ノーアウト1塁で蛮の打順がまわってきた。
番ルヴァ蛮 「えー、自分でいうのもなんですが、私のバッティングはシャープが鋭いのですよー、うんうん」
 と、バットを構える。
長嶋 「これは…いわゆる『一本釣り打法』ですねー、ルッキングしませんと」
 富樫の指示で、敵チームにバレバレの送りバントのサインが出される。
 ピッチャーがバント封じの、とんでもなく高い球を投げた!
番ルヴァ蛮 「あー、絶好球ですねー」
 と、大ジャンプして痛打。センターオーバーの3塁打で、1点先取。
富樫 「バカ野郎! 命令違反じゃないか!大リーグなら罰金ものだぞ」
番ルヴァ蛮 「あー、すみません。サインに興味がなくて」
 たった一人、賞賛の拍手を送っている長嶋。
長嶋 「ナイスバッティング、桑田君…」
富樫 「困った人だなあ」
番ルヴァ蛮 「さあて、次はホームスチールでもしましょうかねー」
 八幡の打席。ピッチャーが投げると、2塁へ逆走する蛮。
 キャッチャーが慌ててボールを2塁へ投げると、蛮は又3塁へと走る。
 驚いた2塁手が球をそらした隙にまんまとスチールは成功。
番ルヴァ蛮 「頭脳プレーですねー」
富樫 「いくら何でもこれはルール違反でしょう、長嶋さん。一度3塁を踏んだ走者が2塁へ戻るなんて!」
長嶋 「そういうルールでしたっけね〜」
「ちょっと待って下さい」
と、3塁塁審の位置からやってくる。
「蛮は3塁ベースを踏んでいませんでした」
富樫 「なんだって!?」
番ルヴァ蛮 「さすが王さん、お目が大きい」
「僕が見たところ、確かに3塁ベース近くで本を読んだり、お茶を飲んだりはしていたが、一度もベースには触れていない」
長嶋 「ということは、ノープロブレムですね。ありがとうワンちゃん。ナポナ大好きです」
「…」
 × × ×
4回表。ついに蛮がピッチャーに。
番ルヴァ蛮 「みなさーん、よろしくお願…」       
と、そっぽを向いている選手達。
番ルヴァ蛮 「うれしいですねー、予想通りのリアクションで…」
川上監督 「さあどうする。お前の言う『腹破り』とやらを見せてもらおうじゃないか」
 初球、想像を絶する遅い球が、フンワフンワとまるでシャボン玉のように飛んでくる。
長嶋 「これは…ひょっとしてミラクル?」
 待ちくたびれてあくびを始める打者。
 ボーッとしていると、ようやく到着したボールが頭に当たってしまった。
打者 「ウッ、痛ッ」
結局立ち上がれずに、担架で運ばれていってしまう。
八幡 「バカな! どうしてあんな遅い球で、あれほどのダメージがあるんだ!?」
番ルヴァ蛮 「んーと、それはですねえ、私の球が重いということで察して下さいよ。では次の方、どうぞ」
蛮の遅い球を打てぬはずがないと、次々と向ってくる打者達。
だが、結果は全員デッドボールで退場。
とうとう相手チームは一人もいなくなってしまった。
長嶋 「ということは…試合放棄となって、勝利投手は、桑田君?」
番ルヴァ蛮 「…はい。もう桑田君でいいですよー」
川上監督 「敗れたり! これは見事にしてやられたわい」
八幡 「蛮、お前、ただの反逆児じゃなかったな…」
番ルヴァ蛮 「♪マウンドの土の上は 貸切りの地獄です 雲ひとつない登板日 腹破りを誓いましょう〜」
 と、小躍りしている。
長嶋
「(空を見上げ)青い空、気持がいいね。
 確か魚へんにブルーと書いて、鯖(さば)って読むんだよね」
番ルヴァ蛮
「ええ、ええ。それで虫へんにルックと書けば、蜆(しじみ)って読むんですよー。またこの蜆のおみそ汁が、えも言われぬコクがありましてねー、うんうん」
 二人の周りには、何人たりとも寄せつけない、目に見えないバリアがしっかと張られているのだった――。

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コンセプトはねー、ルヴァ様vs長嶋さんのボケ対決! で、ルヴァ様の圧勝というか、「お前は誰だー!?」くらいイッちゃってまーす。
この中って結構長嶋語録を使ってるんだけど、ああいうのも著作権てあるんですかねー。(すばる)


昔のアニメには実在の人物がでているもの多かったけれど、今は「ちびまる子ちゃん」ぐらい?
あ、でも、念のため
このお話はフィクションで、ここに登場する団体・人物などはすべて架空のものです。
って入れておこう。(姑息ちゃん太)

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