01:はじめまして
いろいろ大変だったけれど、とにかく賽は投げられた。
あと半日もしないうちに、生きて動いているホンモノの佐野泉に会えるはず。
かなり小規模の学校らしいから、とにかく登校さえすれば、探し当てることができるだろう。
ああ、無事に彼に会えたなら、なんて言おう。
「あなたに一目会いたくてアメリカから来ました」
「大ファンなんです」
「高跳びがんばって下さい」
「応援しています」
おっと、せっかく男の子として行くんだから、「お友達になりたい」ってこと、ちゃんとアピールしておかないとね。
そうしたら彼はきっと少しはにかんだ表情で、言葉少なに、でもしっかり首を縦に振ってくれる。たぶん彼はそういう人。
ああ、はじめましての挨拶をするのが待ち遠しい。
とにかく飛行機が着いたらまっすぐに学校に行かなくちゃ。うん。