レッツ!肝試し!(2)     by AIRさま


エントランスに隠れながら、
仕掛けを動かしていたランディは、
顔色を真っ青に変えていた。


(うわー・・・ジュリアス様本気で怒ってるよ・・
見つかったら・・瞬殺されそう・・。)


コンニャクを投下していた手が、
僅かに震える。


(しかも、クラヴィス様も戻って来ちゃったし・・
どうするんだろゼフェル・・)


既に計画図から大きく外れているような気がして、
ランディは、冷や汗をかきはじめた。


(とにかく、クラヴィス様が戻ってきた事を
ゼフェルに知らせないと・・)


ランディは二人に見つからないように、
ヘッドランプでクラヴィス邸の地図を照らすと、
重い足取りで歩き出した。




***************************************




廊下を進むと、
うっすらと明かりが見えた。


見れば、廊下の途中でまるで道しるべの
ように、青白い光が灯っている。


「この順路で進めというわけか・・
フッ・・良いだろう!望み通り進み、
首謀者を捕らえてくれる!!」


「・・・・・・・・。」


怒るジュリアスの後ろで、
クラヴィスは欠伸を噛み殺す。


灯りに導かれた場所は、
一つの部屋だった。


ご丁寧に扉に蛍光塗料で「入れ」と書かれている。


「・・・・落書きまでされたか・・フッ・・。」


クラヴィスは他人事のように、笑った。


「そなたの屋敷だぞ・・
少しは怒れ!!」


「・・・あぁ・・そうだな・・。」


興味ないとばかりにクラヴィスはもう一度欠伸を
噛み殺した。


「まったく・・そなたは・・
もう良い!いくぞ!」


ジュリアスはバタン!!と勢いよく扉を開けた。


そこには、沢山の棺おけが置かれている。


ジュリアスは目を点にした。


「クラヴィス・・・
そなたの部屋のインテリアはどうなっているのだ?」


「・・・・・私は・・・一つしか・・
置いていないがな・・。」
(↑一つは置いていたんですね・・クラヴィス様・・。)


「では、何事か仕掛けがあると見て良いわけだな・・。」


ジュリアスは慎重に歩みを進めた。


部屋の中央にまで歩みを進めたところで、
棺おけの中から「ううう・・」と
すすり泣く声が聞こえてきた。

「・・・誰か閉じ込められているのか?」


ジュリアスが棺おけを開こうと、
身を屈めた瞬間、



ガタガタガタガタ!!!!!



全ての棺おけの蓋が開き、
中からゾンビが現れた。



「何だ!」


「・・・ジュリアス・・・
避けぬと・・危ないぞ・・。」


「なっ!」



ゾンビは一斉にジュリアスの上に
覆い被さってきた。



「○×□*!!!・・・!!!!」



積み上げられた布団のように、
ジュリアスの上に乗るゾンビ。


ジュリアスは声にならない悲鳴をあげて、
ゾンビの中に埋もれていった。



「・・・逃げ遅れたか・・。」



しっかりその攻撃から逃げたクラヴィスは、
仕方なく、ゾンビを引き剥がしていく。


一番下から現れたジュリアスは、
べったりと床に倒れていた。



「ジュリアス・・安心しろ。
これも人形だ・・外はゴム製のようだな・・
良かったな・・怪我も無いだろう・・。」


「・・・っっっ!!良いわけがない!!」



ヨロリ・・・



ふらつきながらも、
ジュリアスは立ち上がった。


目の奥に殺意を揺らめかせて・・。



「クラヴィス・・もう一つの扉に
矢印が書いてある・・
続きがまだあるらしい・・
行くぞ・・・・・・・。」



一歩ごとに床にヒビが入るのではないかと
思うほど、ジュリアスの歩みには、
怒りがこもっている。



(・・・・そろそろ・・
やめた方が良いと思うが・・。)



クラヴィスは部屋の隅にある飾り棚を
ちらりと見やった。


銀の髪が棚の後ろから、
見え隠れしている。


(ゼフェル・・加減を知らぬのは・・・
ジュリアスの方が上だぞ・・・。)


クラヴィスは、ジュリアスに呼ばれ、
再び後について行くのだった。




****************************************




飾り棚の後ろで、
ゼフェルは笑いをこらえるのに必死だった。


(あのジュリアスのうろたえ顔!
クックックッ・・苦労して仕掛けたかいがあったぜ!)


肩を震わせながら、
ゾンビを動かすリモコンを袋にしまい、
ゼフェルは次の仕掛けを動かす準備を始める。


(それにしても、クラヴィスが一緒にいやがった・・
チッ・・マルセルのやつ。失敗しやがったな・・。)


と、その時、
床を這いながら、ランディが部屋の中に入ってきた。


『ゼフェル!』


小声でゼフェルの名前を呼び、
匍匐全身で、傍に寄った。


『何だよ!何してんだよ!』


『ゼフェル。もうやめた方が絶対良いって!
ジュリアス様の怒り方がいつもと違ったし、
クラヴィス様が戻ってきちゃった時点で、
計画が台無しだろ?』


ゼフェルはケッとそっぽを向いた。


『もうここまでやっちまったんだ。
クラヴィスも特に邪魔するわけじゃねーし、
計画は予定通りにいくぜ!
ほら、さっさと次の持ち場に行けよ!』


ランディは、はぁぁあ・・と盛大な溜息を吐く。


『どうなっても、本当に知らないからな。』


『ジュリアスに、ばれないようにすれば
平気だって。ほら、次の部屋はランディの担当だろ!
さっさといかねーと、近道使っても、
間に合わなくなるだろ!』


ゼフェルに言われて、
ランディは仕方なく「分かったよ」と返事をするのだった。




******************************




「複雑な道だな・・
そなたの屋敷は迷路屋敷か?」


「・・・つい立を勝手に立てられて・・・
道を作られているだけだ・・・。」


「ほぅ・・相手はなかなか、
手の込んだ事をする・・。」


ジュリアスは腕を組み、
前方を見据えた。


新たな扉が現れ、
さっきの部屋と同じように、
『入れ』と扉に書かれている。



「良いか・・どのような仕掛けがあるのか
分からぬ!!くれぐれも気をつけるのだぞ。」



(・・・・・ジュリアスがな・・・・。)



クラヴィスは、心で鋭い突っ込みを入れつつ頷いた。



ガチャリ



扉を開けたジュリアスの目の前に、
古井戸があった。
ご丁寧に周りには生い茂る木や、
草がデコレーションされている。



「・・・・・・・・・クラヴィス。」


「・・・・・・・・・言っておくが、
私ではない・・・。」



暫らくすると、井戸の中から、
ピチョンピチョンと水音が聞こえてきた。


そして井戸の中から、
女が現れた。


女は始め後ろを向いていたが、
ゆっくりと二人の方へと振り返る。


その顔には目も鼻も口もなく、
真っ白な平面があるだけだった。


「ふっ・・このような小細工で、
私が恐れると思っているのか・・。」


ジュリアスは、馬鹿馬鹿しいと
一歩踏み出した瞬間。


ぐい〜〜ん!!


と女の首が伸びて、


そして


見事に


女ののっぺら顔が


ジュリアスの額にクリーンヒットした。



ドガッッッ!!



「ぐわっ!!」



とても痛そうな音の後、
ドサリとジュリアスの体が後ろに倒れた。



「ほぅ・・首が伸びたか・・・。」



クラヴィスは感心して頷いた。



「何なのだ!これは!!」



ジュリアスは額に大きなコブを作りながら、
みょーんと伸びる女の首を引っ張った。



「バネが・・・中に入っているようだな。」


「中の構造を説明しろなどと言っていない!!」



ジュリアスは女の首から手を離した。


女の首はバネの力で再びみょーんと伸びると、
部屋の隅に飛んでいった。



「いてっ!!」



女の首が飛んでいった方向から、
小さな声があがった。
どうやら、首が当ったらしい。


「!!」


ジュリアスはその方向に視線を向けると、
急いで立ち上がった。


「そこに隠れているのは誰だ!!」


揺らめく怒りのサクリア・・


(わ・・わわわ・・
どうしようつい声を出しちゃったよ。)


部屋の隅に隠れていたランディは、
口を塞いだ。


「出てこないのならば、容赦なく成敗する。
出てくれば、成敗する。どちらを選ぶ!」


(どっちにしろ、
成敗されちゃうんじゃないかーー!)


ランディは床に這いつくばると、
普段ロッククライミングで鍛えた腕で、
脅威の匍匐全身を見せた。



サカサカサカサカ!!



猛スピードで、
逃げ出すランディ。


その気配を感じて、
ジュリアスは怒りのサクリアを発動した。



ガラガラガラガラドッシャーーン!!



部屋全体に閃光が走り、
ランディがいた場所に大きな穴が開いた。


ランディは・・・


間一髪でその場を逃げ出し、
ゼフェルのいる部屋へと向かう為、
裏口へと向かった。


静まり返った部屋で、
ジュリアスはピクリと眉を動かした。



「おのれ・・逃げられたか・・。」


(・・・私の館なのだがな・・。)



黒煙をあげて、穴があいた床を見つめ、
クラヴィスは肩をすくめた。



「だが、どうやらあの扉からに逃げたようだ。
追うぞ!!」


「・・・順路は良いのか?」


「犯人が掴まれば良い!」


ジュリアスは額のこぶを摩り、
クラヴィスの服を引っ張った。


「・・・あまり破壊するなよ・・。
後が面倒だ・・・・。」


しかし、ジュリアスの燃える怒りのサクリアは、
こんなものではすまされないと、
更に大きく揺らめくのだった。




******************************




抜け道用の部屋はどの部屋も完全に照明が落とされ、
真っ暗だった。


その中で、ランディの頭で光る、
ヘッドランプの明かりだけが光の筋を作っていた。


「あそこにいるぞ!」


ジュリアスはヘッドランプの明かり
を頼りに、駆け出す。


ジュリアスは、遠のく灯りを逃がしはしないと、
追いかけるが、思ったより逃げ足が速く、
気づけば暗闇の中一人になっていた。


「クラヴィス!・・・
しまった・・はぐれてしまったか・・。」


暗闇の中、ジュリアスはクラヴィスの名を呼んだが、
部屋の中からは何も聞こえなかった。


それどころか、ジュリアスが迷い込んだ部屋には、
家具も窓もない、まさに、暗闇だけの空間だった。


「何も見えぬではないか・・!
仕方無い、少し歩くか・・。」



手探りしながら、
暫らく歩くと、部屋の雰囲気が変わり、
枯れた木々や、赤黒い空が現れた。


悲しい泣き声や、苦しい呻き声。
ギャーという悲鳴が時折聞こえてくる。


それは地獄のような景色。



「ん?外に出たのか?
それともクラヴィスの趣味で作らせた部屋なのか?
BGM付きとは無駄に凝った部屋だな・・。
いずれにせよ、このような部屋が存在する事自体、
理解できぬ・・。」



ジュリアスは、むっと不機嫌な顔になる。


とその時、
目の端に青白い灯りを捕らえた。


視線を移せば、黒髪の女性が立っていた。
女性は、手にランプを持っていた。


「なんだ、そなたは・・屋敷の者か?」


こくり


女性は頷く。


「そうか、このような事態になってすまぬな。
首謀者を捕まえ、すぐに対処をする。」


女性はもう一度こくりと頷き、口を開いた。


「誰かをお探しですか・・・?」


掠れた声で女性は言葉を紡いだ。


「うむ。この館の主、クラヴィスを探している。
そなたクラヴィスを見なかったか?」


女性は赤い唇をにぃと上げて、
「こちらへ」と言った。


「すまぬな。」


ジュリアスは、後について歩いていく。


「そなたも迷惑をしておろう。
この不測の事態、何としても解決せねばな。」


「・・・・犯人を探しておいでですか・・?」


「ん?・・・そなたは何か知っているのか?」


女性は喉の奥でくつっと笑った。


「えぇ・・私はこの屋敷の事なら何でも
存じ上げております。」


「では、犯人の潜伏場所も分かるか?」


「勿論でございます。
犯人は現在・・・・。
クラヴィス様の寝室に隠れているようです。」


ジュリアスは、目を見開き、
ゴゴゴゴゴと新たなる闘志を燃やした。


「そうか、ではすぐにクラヴィスと合流し、
寝室に向かわねば!」


女性は再びにぃと満足そうに笑い、
ジュリアスを「こちらへ」と促すのだった。




******************************************




「クラヴィス!」


「・・・ジュリアスか・・
どこに行っていた。」


「それはこちらのセリフだ!
そなたの屋敷の者に案内されなければ、
まだ迷っていただろう。
更に、有力な情報をこの者から聞き出せた、
そなたの寝室に犯人は隠れているらしい。
すぐに向かうぞ!」


ジュリアスは傍らにいる女性に、
「礼を言うぞ」と言うと、
女性は軽く頭を下げて、元の部屋へと戻っていった。


「ジュリアス・・・今のは・・。」


「何だ?」


「いや・・・何でも・・。」


クラヴィスは女性の消えていった闇を
一瞬見つめ、小さく首を振った。


「言いたい事があるのならば、
はっきりと申せ!・・・
無いのならば、犯人が逃げる前に行くぞ!」


ジュリアスは白い衣をなびかせて、
早足で歩き出すのだった。




*************************************





バターーーーーーン!!!!



数分後、クラヴィスの寝室に辿り着いたジュリアスは、
壊す勢いで扉を開けた。


「な!」


「うわぁ!!ジュ・・ジュリアス様・・。」


部屋の中央で脱出プランを練っていた、
ゼフェルとランディはジュリアスの形相に腰を抜かす。




「ほぉぉぉおおおおおお・・・
これは意外な結末だな・・・
犯人はそなたらか・・・・。」




ゴ・・・ゴゴ・・・




「な、何でここにいんだよ!」


「逃げる場所を間違えたんじゃない?ゼフェル・・。」


二人は、腰を抜かしたまま、
後ずさった。


「クラヴィスの寝室なんて。
ジュリアスだったら死んでもこない場所だぜ・・。」


「でも・・いるし・・
ゼフェル・・もう、駄目だよ・・。」



ゴクリ・・・



目の前でバチバチとスパークする、
怒りのサクリア・・もとい光のサクリアを
見ながら、二人は悟った。




((・・・助からない・・・))




ジュリアスはにっこりと微笑んだ。




「言い訳は・・・
退院後に聞こう・・・・。」




「・・・ジュリアス・・私の寝室を、
破壊するなよ・・。」



恐らく無理だろうが・・と
諦めきった願いをとりあえず口に出して、
クラヴィスは巻き添えを食わないために、
部屋の外に出た。





「ばーーーーかーーーーーもーーーーのーーーーー!!!」





ゴゴゴゴゴゴゴッゴゴゴゴッゴッゴゴゴゴゴゴゴ!!!




ドンッ!!!ドンッ!!!




パラパラパラパラパラパラ!!!




かくして、



本年度最高度の出来の、
『怒りのサクリア花火(夏季限定技)』は
見事に大輪の花を咲かせ、ゼフェルとランディは勿論、
クラヴィスの寝室と隣室の一部をぶっ飛ばした。


クラヴィスは破壊された部屋の前で、
「たまやー・・・」と無気力に呟くのだった。




****************************************




クラヴィス邸のエントランスで、
担架で運ばれるゼフェルとランディを見送り、
ジュリアスは満足そうに頷いた。


「これであの者達も少しは懲りるだろう。」


(あぁ・・お前の前に二度と姿を現さぬ位、
懲りるだろうな・・・。)


クラヴィスは本日何度目かの溜息を漏らした。


「そうだ、クラヴィス。
このような事になったのも、そなたの屋敷の管理の甘さ、
そして、雰囲気の悪さが原因でもある。
もっと窓を作り光りに満ちた屋敷にしろ!
大体、窓の無い部屋があるなど言語道断だ!!」


「窓の・・無い部屋?」


「あぁ、そなたとはぐれた時。
迷い込んだ部屋がそうだった。
家具もカーテンも窓もない部屋があり、
その先に地獄のような風景の部屋があった。
あのような部屋に何の意味があるのだ?」


(窓の無い部屋などあったか・・・?
遮光カーテンで光りが入らないようには・・
しているが・・・それに・・地獄のような風景とは?)


クラヴィスは、少しだけ考え込んだ。
そして何か思い当たったのか、
「あぁ・・なるほど。」と頷いた。


「何がなるほどだ!
あの部屋で女性に会わなければ、
出口すら分からぬ所だったのだぞ。
まったく、そなたの屋敷はどうなっているのだ!
これから改善するように!!」




ジュリアスは、プリプリと怒りながら、
クラヴィスの屋敷を出て行った。





*************************************





急遽設えられた、寝室で、
クラヴィスはようやく体を横たえた。


「面倒な一日だったな・・・。」


クラヴィスは、
灯りを消そうとランプに手を伸ばした。

その時、暗闇から白い手が現れた。


「消しましょうか・・・?」


「・・お前か・・・。」


黒髪の赤い唇の女性が、姿を現した。


「今日は随分騒がしくて・・・
辟易してしまいました・・・。」


女性は目を細めて、
不快そうに眉間に皺を寄せた。


「ジュリアスを案内したのはお前だな・・・。
・・フッ・・あれが何もない場所に・・・
話し掛けるのでな・・・おかしいとは思ったが・・・。」


「クラヴィス様の前で・・
姿を消したのは・・・・
ちょっとした悪戯心ですわ・・。」


女性はにぃぃと不気味な笑みを浮かべた。


「あの方・・面白い方ですわね・・・
自分が『黄泉の国』に迷い込んだと、
最後まで気づかれませんでしたわ・・・。」


女性の言葉を聞いて、
クラヴィスは「やはりな・・」と呟いた。


ジュリアスが迷い込んだ暗闇の部屋は、
黄泉の国の入口。
そして地獄のような風景の部屋とは、
正にその場所にいたのだろう。



「あれはそういう性格をしている・・・。」


「面白そうなので・・
つい助けてしまいました・・・。
私の眠りを妨げる者を捕まえて下さるという
お話でしたしね・・・・フフフ・・
ようやく静かになって満足です・・・
では、おやすみなさいませ・・クラヴィス様・・。」



女性はゆらゆらと揺れると、
ランプの炎を消し、
そのまま闇の中に消えていった。



「子供だましの肝試し中に・・
実は、黄泉の国に行き、本物の亡霊と出会っていた・・
という話をしても・・
あれは信じないだろうな・・・・。」



クラヴィスは毛布を被り目を瞑った。



「・・・・・・。
しかし・・・簡単に黄泉の国に通じてしまう・・
我屋敷の構造も・・・問題なのかもしれぬ・・
まぁ・・・気が向いたら・・改善・・しよう・・
・・・・ぐぅ・・・・。」



幽霊屋敷の主、闇の守護聖クラヴィスは、
今日も薄ら寒い空気の中、
安眠を貪るのだった。




end


(1)へ

(おまけ)


ガタガタガタガタガタ


「僕・・僕・・・
絶対ジュリアス様に殺される・・・。」


ガタガタガタガタガタ


「チュピ・・どうしよう・・。」


ゼフェルとランディの結末を聞いた
マルセルは、ベットの上でガタガタと
震えていた。


そして、マルセルは・・・
数日後不眠症で目出度く入院。


年少守護聖3人はベットの上で、
ジュリアスの悪夢にうなされるのだった。

かわいいイラスト、楽しい創作、サイト内のどこを切ってもアンジェリークの世界への愛があふれる、AIR様のすてきなサイト「Angel Cube」さまで
キリ番30000を踏んで書いていただいたものです。
お題は「うろたえる光様。冷静につっこむ闇様つきならなお良し」というものでした。
光様がうろたえるって、やっぱり不慣れな恋愛がらみかな〜なんてこっそり思っていたのですが。
まさか、こう来るとは!

すべてを怒りエネルギーに変換してしまう光様が超絶かわいいです。
年少組もいい味出しています。及び腰の風様がツボ。闇様緑様のかみ合わない会話もサイコー。
「たまやー」とつぶやく闇様に爆笑してマウスのスクロールホイールを壊してしまったのはナイショです。

すみずみまでちりばめられたサービス精神、1度目は一気に、次はじっくり、堪能して下さいね。

AIRさま、楽しいお話を本当にありがとうございました!!

宝物殿へ