ルヴァ様コスプレ劇場

CAST1    古代進(宇宙戦艦ヤマト)
      「男同士」


<お話の背景>
  西暦2199年人類を救うためにイスカンダルへと旅立ったヤマト。
  だが、銀河の大難所オクトパス星団で3週間の足止めを余儀なくされていた…。

<登場人物>

古代ルヴァ ヤマト戦闘班長
島 大介 航海長
森 雪 生活班長
加藤三郎 戦闘班副班長 古代の部下
沖田艦長


○中央作戦室

沖田艦長はじめ各班長にオクトパス星団について説明している島航海長。
島大介
「このオクトパス星団の周りには大暗黒星雲が広がっていて、どのくらい大きいか見当がつかない上に、何があるかわからず非常に危険だ。恐らくこれを迂回するとなると四十日はかかるだろう。たとえ3週間を費やしてでも、この宇宙の嵐の晴れるのを待って、海峡を抜けた方が早いわけだ」
古代ルヴァ 「あのー、島さん。口をはさむようで申し訳ないのですが、うー、その嵐がおさまる保証はあるのでしょうか?」
島大介 「そっ、それは…」
古代ルヴァ 「そのー、保証がなければじっとしているわけにもいきませんし…。それに、その”海峡”というのは本当にあるのでしょうかね…」
島大介 「海峡はある!」
古代ルヴァ 「はっきりおっしゃいましたが、何か根拠でも?」
島大介 「俺のカンだよ!」
古代ルヴァ 「な、何と! 航海長ともあろう方がそのようなあやふやな根拠で大切な航路を決定してよろしいんですか。艦長!」
沖田艦長 「二人とも、続きは楽屋でやれ!」

○戦闘機格納庫

 コスモ・ゼロを発進させようとしている古代ルヴァ。
加藤 「古代、どこにいくんだ」
古代ルヴァ 「島さんのいう海峡があるのかどうか見てきます。”百聞は一見にしかず”ですからねー、うんうん」
加藤 「この嵐の中出てったら、どうなるかわかったもんじゃないぞ、古代!」
 かまわず行ってしまうコスモ・ゼロ。

○カタパルト

 激しい嵐の中発進するコスモ・ゼロ。
古代ルヴァ 「あー、私としたことが。この嵐じゃ計器が役に立ちません。ウワアー!」
 甲板に落ちて大破するコスモ・ゼロ。
 加藤に助け出される古代ルヴァ。
古代ルヴァ 「す、すみません…」

○第一艦橋

 沖田艦長の前に連れて来られる古代ルヴァと加藤。
沖田艦長 「古代、勝手な行動をとった罰として格納庫の大そうじだ」
古代ルヴァ 「あのー、艦長。私はもちろんいけないのですが、この加藤も私を止めきれなかったので、ある意味同罪ではないかと」
沖田艦長 「加藤、お前も大そうじだ」
加藤 「えーっ、古代、お前いつからそう一言余計な奴になったんだ!?」

○格納庫

古代ルヴァ 「おどきなさあーい!」
 と、デッキブラシを片手にターバンをなびかせながら駆け込んでくる。
 既に大勢の乗組員達が所狭しとそうじをしている。
古代ルヴァ 「!…それじゃあこの人達全員が罰を受けてそうじをしているってことなんですね。なんとまあおろかしい…」
加藤 「自分だって罰をくってるのに…」
森雪 「大変だわ。このままじゃ、艦内にもう一つの危険をかかえ込んでしまう」

○第一艦橋(翌日)

 緊急配備についている乗組員達。
古代ルヴァ
「遅れまして申し訳ありません。
! 晴れてる…つまり、嵐がやんだのですね。よかったですね、島さん」
島大介 「シッ、パネルを見ろ!」 
古代ルヴァ 「あれは…ガミラス艦…(と資料を見つつ)艦長、あれは戦艦ではなく病院船です。このままやり過ごしましょう」
沖田艦長 「優しいな、古代は…」
 離れていくガミラス艦。
島大介 「あの船は…きっと海峡から来たに違いないんだ」
沖田艦長 「古代、海峡の調査だ」
古代ルヴァ 「はい、おまかせ下さい」

○オクトパス星団・海峡の中

コスモ・ゼロに乗ってとことん調査活動をしている古代ルヴァ。
古代ルヴァ 「うーん、これぞまさしく宇宙の神秘。このような機会をお与え下さった神に、感謝を捧げます」

○第一艦橋

島大介 「あいつ一人で行かせるんじゃなかった。珍しいものを見るといつもこうだ…」 
森雪 「艦長。レーダーに異常が見られます。嵐がまたくるかもしれません!」
沖田艦長 「誰か古代を連れ戻せーっ!」

○甲板

対峙している古代ルヴァと島大介。 
島大介 「何だよ古代、こんな所に呼び出したりして。俺は忙しいんだ。一刻も早く海峡を突破したいんでね」
古代ルヴァ 「私の調査に時間がかかりすぎたというのですね。で、でも調査は十二分に行ってこそ安全な航海ができるんじゃありませんか?」
島大介 「古代・・君はつくづく戦闘班長向きではないようだな」
古代ルヴァ 「な、なんですって!?」
島大介 「俺も慎重だと言われる方だが、お前はバカがつくほどだってことだよ」
古代ルヴァ 「今『バカ』と言ったのですね。この私のことを」
 と、こぶしを握りしめる。
島大介 「やる気か!?」
 なぐり合いを始める二人。みるみる顔がボコボコになる。
 そんな二人の間に割って入る森雪。
森雪 「何やってるの、二人とも! この大事な時に」

○第一艦橋

 顔に傷をおったまま席につく古代ルヴァと島大介。
沖田艦長 「これより海峡を突破する! 島、全速前進!」
島大介 「全速前進、取舵いっぱい!」
 海峡に突入すると、再び嵐が始まってしまう。
島大介 「自動操縦は無理です。これより手動に切り換えます」
沖田艦長 「よーし島。お前の腕に託すぞ」
 必死に舵をとり続ける島大介。 だが嵐は強まるばかりだ。
 島一人の力では持ちこたえられそうにもなくなったその時!
古代ルヴァ 「微力ながら、私にも手伝わせて下さい」
 と、島の手を強く握った。
島大介の心の声 「ホント、微力だなあ…」
  × × ×
 二人の協力のおかげで(?)ついに数時間後、海峡越えに成功するヤマト。
島大介 「やった、成功だ!」
古代ルヴァ 「やりましたねー」
子供のように抱き合って喜び合う二人。
古代ルヴァ 「思い切りなぐり合った後で熱い抱擁――いいですねえ、男同志って、うんうん…」
森雪 「あの、それって私のセリフなんですけど…」
ナレーション  古代ルヴァ同様地球もまた病んでいる。
 地球滅亡の日まであと180日。

プロローグに戻る   CAST2/伊達直人へ

も、もしかして「ヤマト」全然知らないっていわれたらどうしよう……
と、心配しつつも。
楽しんでいただけたら幸いです。(この原稿受け取ったときちゃん太は涙出るほど笑いました)
それにしても。古代ルヴァくんは、自分では戦闘班長に向いているつもりだったのね。

すばる劇場に戻る