カケラ・h


学校と寮の中間やや寮寄りに、食品ディスカウント店ができた。
好奇心を抑えられない面々が早速出かけ、山盛りの戦果と共に帰寮する。

「オープニングセールでごっつ安かってん!」

中津の抱えていた大袋の中味がすべてアイスであることに気づいて、皆は固まった。
「どーすんだ、これ。どの部屋にも冷凍庫なんて無いぞ」
「しもた。忘れてた」

頼みの綱、食堂の台所は既に3年生が占拠していた。出遅れたのだ。
「溶ける前に食べなしゃーないなあ」
いつもの7人組は夕食前にもかかわらず、黙々とアイスクリームを消費するはめになった。
とりあえず懐は痛まないので、協力するのだ。

だが、他の場所が痛んだ。

翌日、お腹を壊して保健室に駆け込んだ5人は、一番たくさん食べたにもかかわらずなんのダメージもない中津と芦屋の内臓に改めて感嘆するのだった。


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