Keeping A Fairy


そばを離れちゃ危ないってのに
すぐにヒラヒラ飛びまわってさ。

そりゃ、正直、飛ぶ姿も悪くない。
けど、分かってんのか?
そのきらきら光る羽根を狙っている奴は多いって。
世の中、イイヒトばっかりじゃないぜ。

でも本当は、一番タチの悪いのは
おまえが信じてくれているこの俺かもな。
時々いっそその羽根をもいでしまおうかと
本気で考えているんだから。

ガラスの箱に入れて閉じこめてしまおうか?
その羽根に俺の名を刻印すればいいのか?
それとも飛び立てないように抱きしめていればいいのか?

ったく。
ほんっとにしようがない奴。
しようがないのは俺も、か。
ため息ひとつと引き替えに、すべてをゆるしてしまって、
飛びまわる妖精をただ目で追っている有様だもの。


これはにゃおさんのHPの1500ヒットにお贈りしたものです。

これも最初の頃の作品です。「ったく。」っていうのが書きたかったの。
ラストが決まらなくて、何度も書き直しました。まだ気に入りませんが、もう何度も直して訳が分からなくなったので、ここでひとまず完成と言うことになっています。

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