ブログ「MHSジャーナル」では、ネオアン世界のあれこれについてちゃん太(C)&すばる(S)の二人で「ああでもない、こうでもない」とひたすら妄想じみた考察を重ねています。
が、さすがに量が増えて、書いている本人たちもいったい何をどこまで語ったかを忘れてしまっている(明らかに歳のせい)ので、整理してみることにしました。

*初出時の記述に多少手を加えてあります。


妄想的考察2010

<黒レインはアリか>

レイン博士は護り石を使うときなど、ちゃんと戦闘時のデータ取っていたのかな?(S)

絶対レインはデータとって分析していると思う。せずにはいられないに違いない。(C)

レインとしては護り石やオーブのデータは欲しいはず(特に護り石は強化という、技術力が必須なわけだしね)だけど、そのために危険にさらす可能性もある。研究者としてのジレンマ。マッドサイエンティストの領域に踏み込む境界上にいる感じですねえ。けど黒ニクスならぬ黒レインはファンが絶対許さないよね。(S)

黒レイン。うーん、ネオアンの人々は根の善良さが売りだと思うから、そのあたりはちょっとね。
なんていうか暴走はあっても黒はないと思っています。でも研究者スピリットが暴走するのはあると思う!絶対!我に返った時の自己嫌悪がなんか可哀想な気がするけれど。(C)

<ヨルゴ>

ヨルゴお兄様がしっかり黒レイン的な役を担っている感じ。レインルートでアンジェを誘拐したり。ヒュウガルートじゃカーライルの心情につけ込んで人体実験。さらにはその失敗に懲りずに、自らが浄化能力増幅チップの被験者にまでなって…彼の場合、暴走の裏で「浄化能力者になりたかった」という哀愁に満ちているところも、フランケンシュタイン博士の流れをくむ正当なマッドサイエンティストぶりです。(S)

ヨルゴ氏は公式38才らしいけど、もっと老けて見える。レイン君とは親子並みの20才違い。異母兄弟だからそんなのもアリでしょうが、ヨルゴ兄からすれば、思いっきし年下の弟だけが浄化能力を持っているという事態には、よほどのじくじたる思いがあったのでしょう。そのストレスであんなに老けちゃった!?(S)

レインがヨルゴのところに引き取られた時期とヨルゴが財団を受け継いだ時期はほぼ同時だったと推測できるけれど、だとしたらこの世界で大きな影響力を持つ団体の長としてはいささか若いと言えるのではないか。30前ぐらいよね。村長など社会的地位のある人はなべて高齢だという、案外保守的なアルカ ディア社会だから、財団運営的な意味で、ヨルゴは実年齢より高く見せる戦術をとっていたのでは。若作りならぬ老け作り、とでも言うか。それが10年ほどの間にすっかり板についてしまったのがゲーム内でのヨルゴではないかと。(C)

ヨルゴは本当に働き者だと思う。若い研究員たちが次々脱落していくオーブ鉱脈でも最後まで残っているし。異なるルートであらゆる暴走を一手に引き受けているこのタフさは、やはり気力体力知力充実の年相応と いうことで。ですが「浄化能力のない一般人による世界の救済」にこだわって暴走するあたりに、長年蓄積されたゆがみというか抑圧された年相応の稚気が集約されてしまったのでは。(C)

レインの浄化能力発現も、自分は再び選に漏れてしまったのだと思わされてすごく衝撃だったと思う。財団の成長と自身の成長がシンクロする時代に育ってきた彼の最初の挫折は、自分は銀樹騎士になれないと悟ったことだと勝手に思っているのだけれど、浄化能力以外は何でも手が届く地位にいるだけに渇望感がハンパ無いんでしょうな。(C)

彼は家庭を持っている感じが全然しない。少なくともゲームの時点では。何か色々ドロドロした事情がありそう。

アルティマ計画を誰も止められなかったあたり、ヨルゴの孤高な様が浮き彫りになっている。家庭からの恩恵があまりなかったようで、政略結婚のニオイがプンプン。(S)

私の中での最右翼は、ゲーム開始時点でヨルゴは家庭を失っているのでは、という説です。(C)

<ジェイドの最適解>

以前話題にしましたが、粘菌の研究チームが擬似的に関東の鉄道網を作らせたところ、1〜2日で、人間が考えた実際のものよりも輸送効率や建設費用、頑強性のバランスがいいネットワークを作る場合があった、というビッグニュース。なぜ「いい」と言い切れるのかという部分にはツッコむ余地がありそうですが、数億年生き延びてきた粘菌の考察力は侮れません。
ジェイドの思考回路に粘菌に学んだ部分があるのかは定かではありませんが、他のオーブハンターたちに比べてバランスをとる能力=柔軟さは長けているかもしれません。壊滅したウォードンに向かう時に、アンジェをに乗せていくっていうのもバランス感覚抜群ですしね(←意味が違う)(S)

あの「肩に乗せる」というのは驚いた。
「手っ取り早い移動のためにはどのように人間を運ぶのが最適か」という結論が肩乗せ、ということだけど、肩に乗せられて高速で移動したら酔いそう。ジェイドの身長からいくと、高さがすごく恐いと思う。
かといって、他に道具無しで運ぶ方法はというと抱っこかおんぶになってしまい、乙女の心理的抵抗は大きい。最低限の道具ありなら荷車引いて猛ダッシュ!というのも楽しそうだけれど乗っている人はそっちの方が恐いかな。…となると、やっぱり肩が最適解か…。
あるいはアンジェに気を失ってもらい、肩に担ぎ上げて一目散、が最速かも。でも着いてすぐアンジェが働けるには?うーん、鍼麻酔??(C)

おそらく、「肩ダッシュ」はあれが最初じゃなくって、普段から風舞の峰あたりで鍛錬を積んでいたと推測。アンジェが許容できる速度や下り坂の角度なんかも、既にデフォルトで入ってるのだよ。人間がロボットに最も依存するのは、最適解を求める時、特に判断の迅速さが要求される場合だと思う。ロボットは人間のようにあれこれグズグズ考え込まないはず。ただ、その判断の道筋は人間がしっかりと設計してなきゃ、だけども。(S)

なるほど!既に色々検証済みだったのね!あちこちのデート先できゃあきゃあとはしゃいで、しっかり肩乗せもしてもらっていたのか、と想像するだけで頬がゆるみます。さすが健脚アンジェ、華奢な見かけに反して頑丈にできてますな。(C)

<槍と「素早さ」>

宮本武蔵は「五輪書」の中で槍が刀よりも薙刀よりも有利で最強の武器だと言ってます。しかし使いこなすためには相当な筋力が要ります。(S)

ヒュウガが銀樹騎士として使い慣れた剣ではなく槍を選んだのは、そうか、五輪書だったのか!!
でも彼の使い方は、突き刺すことがほとんどなく、斬りつける感じなので、どっちかというと薙刀っぽいと初めて見たときは思いました。また、実際の戦闘での槍の使用法は、突き刺すというより殴るのがメインだと聞きます。そして戦闘場面でのちびキャラのふるまいを見ていると、槍ではなくてもしかしてスコップなのかもとも思えて。
元テロリストのお話によれば、怪しまれることがなく持ち運びに便利でかつ最強の武器はスコップだそうです。さすが長年タナトス防衛戦の最前線にいただけに、最強武器について考え抜いた結論が「スコップっぽい槍」ということでいかが。(C)

そうですか、スコップ…なるほど素早そうなアイテムです。戦闘能力で最も重視するべきなのは「攻撃力」よりも「守備力」よりも「素早さ」だと確信しております。攻撃も回復もやはり敵よりも先んじていかないと勝ち目はないわけです。ネオアンでも「高速攻撃」してくる敵はちょいと厄介だったでしょう? ちなみにドラクエ8では最強とされる永遠の巨竜のすばやさ193。そのため主人公には「すばやさのたね」を地道に食べさせまくったものですわ。逃亡の天才はぐれメタルのすばやさ215を目指せってね。(S)

ヒュウガは槍という重い武器にした以上本来の素早さは落としてしまったかもしれないけれど、それでも他の3人&アンジェよりは格段上をいってるでしょう。そうね、キラーパンサーくらいなレベルかしら(←ドラクエ8やってなきゃわからん)万が一自分よりも素早いタナトスが出現した緊急時に備えて、スコップ術も極秘で磨いてるかもよ。(S)

ヒュウガの素早さについては、最終戦の時レインが「うちの切り込み隊長」「相変わらず早いな」と表現しているように、オーブハンターの中で一番なのは確かなようです。(C)

<タナトスとエレボス>

エレボスとタナトスの関係って?タナトスはエレボスの分身だと説明があった気がするけれど、その場合タナトスはエレボスに対してどう振る舞うのだろう?? 寄っていって元に戻ろうとするのか?逆 に磁石の同極のように逃げるとかでも面白い。きっとカルディナ大には「タナトス行動学」の研究室もあるに違いない。その割にはオーブとタナトスの関係す ら解明できていなかったりするのだけれど。(C)

ニクスも服装や生活ぶりを見る限りかなりきちっとしてますから、彼がエレボスのタナトス操縦法を一部整然化させているのかもしれません。(S)

タナトスは様々なオーブを一見使いこなしているように見えます。だから知能があるようにも思われるのですが、それならもっと敵(この場合オーブハンター)の嫌がる、例えば複数で襲うとか、弱いアンジェから倒すために分断作戦に出るとかいうことをすればいいのに、全くしません。そうなるとタナトスって敵を倒すのが目的じゃなくって、むしろ敵と戯れることによって生気を奪い取る、というのがビンゴなのかもね。これもニクスと一体化したための行動だとしたらかなり興味深いです。「タナトス行動学」の研究者たちは、別サンプルとして、血眼になってカーライルと一体化したタナトスのデータを集めているのに違いありません。(S)

皆おしなべて紳士的なネオアン世界では倒すべき敵たるタナトスまでもが紳士的。
やはりタナトスの元締めエレボスが寄生主のニクスとある程度はシンクロしているせい、と考えたほうがいいのでしょうか。そういう意味では世界の基調を作っているのはニクスといえるのかもしれません。(C)

<ルネの記憶力>

エレボスとの戦いの後レインが財団に復帰したら、ルネとの親密度にもよるでしょうが、まずはルネ教団長の脳内の莫大な量の公式情報をスキャンしてデータ化しようと試みるのではないでしょうか。(S)

現代の研究段階での記憶のメカニズムは、脳内の海馬で一時記憶されるけれども、それは長くても一ヵ月程度なんだとか。その最大一ヵ月の間に、複数回アクセスされたものが選りすぐられ、側頭葉に送られて長期記憶として定着する。しかしその定着した記憶もその後引き出さずに放置したままだと失われてしまうらしい。
となると、ルネはその引き出し能力=前頭葉前頭前野の素早さがずば抜けている少年なんでしょうかね?いずれにしても、アーティファクトには越えられない存在感は出さなきゃって教団は意志統一しているでしょうから、もし使っていたとしても生活上のごくごくわずかな箇所に限られている気がしますわ。あくまで表向きでは、だけど。(S)

ルネの記憶に関しては、なんていうか写真記憶(映像記憶)の人だと思う。自分で意味を分析することなく、丸ごと記憶している感じ。口伝の映像記憶っていうのも奇妙だけれど、少なくとも記憶したその時点では内容を理解している必要はなくてひとつながりのデータとしてそのまま覚えてしま うような。円周率を覚えるような感じ。
だからそれをスキャンするアーティファクトはルネの持つ知識を総動員して天才レイン博士が開発しなければ存在できないのではないかしら。(結果を過程で使用する論理矛盾で結局不可能かも)
ああでも財団には女王の卵のデータをとった装置が存在したのだったわ。(あれっていったい何のデータをどういう風にとっていたのかね?)それを応用したらOKかな。(C)

ルネの写真記憶、いわゆる右脳記憶ってやつですね。
しかし実際問題、教団長に選ばれる理由は記憶力もその一柱ではあるでしょうがそれだけでは、らしくないよね。アーティファクトを敬遠する確固とした理由はアルカディア自身の持つ能力を損ねる危険性をはらんでいることを、ルネは銀の大樹との対話で予知できているのかもしれません。レインに、ある程度の財団に対するブレーキ力があると期待をかけられたら、プロジェクトはスムーズに進むかな?(S)

「教団長の条件が記憶力ってそれだけ?」という思いが、アニメ版での「銀の葉」後付けに結びついたのでしょう。アニメ版ではチベット仏教の化身ラマのような代替わりが採用されていることはわりと説得力があるな、と思った。
でもゲーム中では詳しく語られていないだけで、ゲームの方でも化身ラマ方式で、その判定基準に記憶力もあったということかもしれません。(C)

正直3歳児の記憶力が人並み外れているかどうかの判定は結構難しいのでは。ある意味並外れて見える例が多い時期だし。大人から見ると びっくりするようなこと覚えてしまうものね。でもある意味神秘な存在である教団長の代替わりなら、記憶というのは「今あることを覚える能力」ではなくて 「教えてもいない記憶がある」ことのほうになるのかな。
それでも化身ラマ方式だと教団長空位期間が必ずできてしまうわけだから、これもちょっと困るし、口伝のみとされる情報の散逸を免れるためにはある程度以上の引き継ぎ期間が必要だし、教団長位継承問題も考えはじめるとわりといろんな問題をはらん でいるなあ。(C)

化身ラマ方式だと確か候補の少年が何人かいて、前世記憶テストみたいなことをやって後継者を決めるんだよね。ルネの場合は、連れ去られ方を見ると、テストはスルーで、既に決している感じ。アンジェのクラヴィスなんかもそうだけど、親から引き離された幼な子の心の傷みたいなものが、あんまし考慮されていない気がしますよね。それを乗り越える資質があるというのも教団長や守護聖の条件なんだと言わんばかりに。(S)

<篤志家と財団>

財団には理事会があって、ヨルゴ以外のヒラ理事もいるはず。そうすると篤志家さんも財団理事会の末席に食い込んでいるかもしれない。というか財団発足初期の出資者の一人だったりするのもあり得るなあと思う。で、その人の継承者として(本人だけれど)理事会には全然出てこないいつも委任状だけの人として参画しているとかね。だから財団にも詳しいと、そんな感じで。(C)

ニクスが財団の幽霊理事やってるっていうのは、すっごくありそう。彼は財団に限らず、アルカディアの政治、経済、社会にかかわる要の部署に何かしらのルートを持ってると思うな。しかも使ってる名はニクスではなく。200年も生きていたら、そうしないと辻褄合わせられないでしょうしね。「七つの顔をもつ男」を演じ分けるニクス、キャーかっこいい!! 「ある時は華麗なる篤志家、またある時はオーブハンター後方部隊、そしてまたある時はちょっぴり怪しげな女学園理事、はたまたある時はなぜだか執事口調の敏腕政治家、しつっこくある時は片目のサーカス団の猛獣使い、もひとつおまけにある時は財団の実情を探る幽霊理事、しかしてその実体は、愛の戦士キューティーエレボスさ!」…おあとがよろしいようで。(S)

<人に歴史あり:ニクス編>

ニクスの経済生活について考えてみた。
もともと裕福な貴族の出なのでそれなりの資産はあったけれど、どうもこの200年あまりで確実に資産を増やしているフシがあります。
リース近郊では名士としての地位を確立しているので、名ばかり理事のような肩書きも多くあるでしょう。
教団にも莫大な寄付をしているでしょうし、政治関係だと公共性の高い部門への投資によって本人の意志にかかわらず政治家の間で有名というか頼られているというか、そんな感じ?
エレボスの被害のあったところにはもれなく援助しているみたいだから、むしろ辺境にこそその篤志家ぶりがとどろいているのでしょう。で、援助に見返りは求めていないはずだけれど、援助される側にもプライドがあるので、その辺を見越してあまり資産価値のない土地などを高価で購入するようなこともしているかも しれません。寄付代わりの購入なのだけれどニクスが買った土地は資産価値が上がってしまうなんていう現象が起こりやすいのでは。
エレボス被害のほかにも、彼なりに世の中をよくするのに有効であると判断した場合は惜しみなく援助しただろうとは十分考えられるので、やっぱり財団発足当初に巨額の援助っていうのは絶対ある。本人は資産など必要としていないので気前よく提供しているだけだったはずが、財団の活動がそれなりの成功を収めて思いがけず投資が回収どころか利益を生んでしまい、それだけでなく無駄に信用がついてしまって「あのニクス氏が絡んでいるのなら」とその後優良投資先の目安になってしまい、結果なんだかニクスは損しない仕組みが形成されてしまっている(本人的には不本意ながら)。
私財をなげうって、やがて消えゆくべき身には余るあれこれをせめて世のために使うべしと考えているだけなのになぜか投資は利益を伴って返ってきてしまう、傍目からはうらやましいけれど本人には悲喜劇としかいいようのない状態である、というのオーブハンターを始めた頃のニクスの経済生活なのではないでしょうか。(C)

ニクスのモットー、御存知「ノーブリスオブリージュ」ですが、彼の考える社会的責任を負うべき社会を篤志家としてどの程度の規模で捉えているのかが、非常に興味深いところではないかと思います。
ニクスもボローニャの企業ネットワークのような小さな単位を支えている篤志家であって欲しいと、つい夢想してしまうのです。
さらにニクスの錬金術には、何と言ってもあの品の良さが大きく役立っているでしょう。「桃李成蹊」…彼にはやはり人々が自然と惹かれてしまう雰囲気が備わっています。もちろん生来の性質も大きいでしょうが、長年エレボスという巨悪に憑かれてしまったことを借景として、それをカモフラージュするために必死で培った品格というのも否定できない気がします。(S)

思うにノーブレスオブリージュは後付けの言い訳で、当初は「タナトス被害は全部自分のせい!だからできることなら全部自分が弁償したい!」と思っていたのではないかしら。タナトスとエレボスと自分との関係を把握したのがいつ頃なのかはわからないけれど、分離が不可能で自爆もできないと悟った時点でとりあえずできる贖罪行為ということで。で、タナトス被害からの復興への惜しみない援助に疑念を呈された時の一番面倒のない理由付けがノーブレスオブリージュだと思う。
彼なりの償いを素直に受け取ってもらえるためには名士だったり紳士であることが一番面倒が少ない、というので、世捨て人であることより篤志家であることを選択したのでは。(C)

ニクスの生育歴を整理すると、貴族の子息→水難被害者にして遺児→貴族の跡取り→と、ここまでの4半世紀ぐらいは比較的普通に暮らし、そのあ と不死性に気づいて試行錯誤する時期があって、さすらいの日々があって、貴族の子弟として生活する時代もあるし(ハンナ祖父との親交を結んだ時期ね)碑文の森の賢者として暮らす時期もあり(ハンナ祖父とつきあいを絶ってからなのかな?)、いろいろな経緯で数年前に陽だまり邸を購入する、と。リースの名士と いう肩書きは陽だまり邸購入以降のことみたいだけれど、ほぼ空白の200年弱、単線でなく複数の人格を同時に生きていた可能性も。それは大地主だったり敬虔な財団信者だったり政治家の有力支援者だったり。
どちらにせよ表に数年間出て、不老を疑われる前に痕跡を消し、次に出て行くときのための偽の筋書きの下準備をするといったことを複線複々線で同時進行していたことになるのだとしたら、その頭脳の緻密さたるや、カードゲーム常勝も当然といえるでしょうね。(C)

そうか、碑文の森で語られる「森の賢者」エピソードは実は自分のことだったというわけなのね。それはかなり当を得ていそうですが、自分から『賢者』などと宣うのは、いささか品にかけますぞと一応はニクス氏にツッコんでおきましょう。(アンジェが『隠者』を『賢者』と聞き間違えたことにしてもいいけどね。)(S)

賢者呼ばわりは「あくまでも自分のことではないのですよ」という煙幕を張るためとも考えられます。っていうかそういう持って回ったやりかたしますよね彼なら。(C)

森の賢者というと、竹林の七賢をつい連想しますが、ニクスも「昔は、もう少し人通りがあって…何か困ったことがあるたびに賢者を訪ねていた」と証言をしているので、その噂が遠くウォードンやファリアンにまで轟いて、各界の重鎮達が訪れたとも考えられますよね。その後のアルカディアの指針の多くが、碑文の森発信だったと妄想がふくらんでまいります。(S)

全体にニクスは親密になるとわりとさりげなく自分のことを語るような印象があります。
ビンゴトークの「器」など、エレボスの器たる自らを暗に語っているとしか。
元来「秘密」には特別な誰かと共有したくなる甘さが内包されているのでしょう。(C)

そうですわ、「秘密」あってこそのニクス。ビンゴトークでも「エレボスという最大の秘密を明かした」ってうっかり言っちゃってますから、ミリレベルの秘密はきっとうじゃうじゃあるのに違いありません。(S)

ジャスパードールの存在も、もしかしたらニクスは賢者時代に既に聞き及んでたのではないかしら。倫理的問題に苛まれた研究者が森に逃げ込んできたとしてもおかしくはないものね。だから実はジェイドの正体も初対面時から見抜いていたとしたら、これはなかなかすごいです。(S)

ジェイドのことはゲーム中ではレインのみが気づいていたことが示されていましたが、よく考えたらあの人たち本当のことを口にしているとは限らないものね。(本当じゃないかもしれないのがネオアンキャラの恐ろしさ。)
たぶん超古代文明の遺物なジェイドだから、開発者との接点はないと思う。でも発掘チームの中で事故を免れた財団員が一人ぐらいいて、その人との接触があったというのはたしかに十分あり得ます。発掘には参加したけれど起動実験にはいなかった人とか。
しかし私の想定していた碑文の森のその人は、「おじいちゃんの知恵袋デラックス」的だったりして。
いや、アルカディア全土に隠れた影響力を及ぼすっていうのはすごく魅力的な想像だけれど。(C)

<ベルナール・その愛>

見ての通りの新聞記者ベル兄さんのキーワードは、「真実」なんか思い浮かぶね。
「秘密」大好きニクスと対極を成していて面白いです。タナトスの脅威が広がりつつあったアルカディアでは流言飛語=デマがかなり飛びかったことでしょう。ベル兄さんは、ジャーナリストとしてデマを防ぐ手立てとしては曖昧さを減少させるっきゃない!ってわけよね。曖昧さの固まりのようなタナトスのわずかな真実を求めて、アルカディア全土を奔走していたことでしょう。実は鍵を握る人物がほんの近くにいることをつゆほども知らずに。
とすると、物語がベルアンで進んでいったとすると、ニクスは心中の葛藤がものすごいことになってたかも。アンジェに恋愛感情を抱いていたとしたらなおさら。
エレボスの立場からは真実をあばこうとするベルナールを逆に利用して、不安をさらに煽る手もあるわけだし。バージョンアップの際には、ベルナールルートに友好度500以上のニクスのいけずイベント追加しちゃおうぜ!(S)

一単語にするのは難しいけれど、ベル兄さんは基本的に「世界の救済は誰かではなく社会全体で」という立場だよね。一番リベラリズムを感じさせる。「社会正義」と言えばいいのか。だから親戚づきあいとか色恋沙汰が絡まない状態だったら、ある意味ベル兄さんが一番厳しい人かも、なんて想像しています。まあ人当たりの良さでその厳しさは覆い隠されているし、おまけに愛情を注ぐ相手に対してはどうやらめろめろになってしまうらしいけれど。(C)

確かにベル兄さんのめろめろは度を越えてます。アンジェに「世界中で一番幸せな女の子にしてあげたい」なんて言っちゃった日にゃ、ちょっと耳を疑ってしまったわさ。だって職業上、幸福度を比べるナンセンスなんか誰よりも知り尽くしているはず。幸せ大将ジェイドが言うセリフとしてならまあしっくりきますがね。困った溺愛兄さんです。(S)

ルネほどではないけれど、ベル兄さんとの恋愛もオーブハンターたちが付き添っている状態で進行するので、恋愛段階2で友好度の高いパートナーの心境はニクスでなくてもかなり複雑でありましょう。いやジェイドなら楽しく傍観できるのかしら、この場合。ううむ。兄さんの方も、ふとした折に「いつも付き添ってくる彼との関係はどうなっているのか」なんて疑心暗鬼だったりして。ただでさえ戦えないという負い目というかコンプレックスはあるだろうし。そういう水面下の攻防があくまで水面下なのが紳士の園ネオアンワールドといえましょ う。(C)

すばるも言うように、もともとのベルナールの立場とあの甘やかし加減はどうも整合性がないよね。もちろん「世の中をよくすることを誰かに押しつけてただ期待だけしてる」社会への怒りの反動も加味されているのだろうけれど。
ここで兄さんとの恋愛がわりと終盤に進むことに着目すると、アルティマ計画による人心の荒廃にだれよりもさらされている立場であることの反動か(精神的なバランスを保つために溺愛する対象が必要)とも思うけれど、でももっと前から甘やかしてるし。
どちらにせよ食べ物ばかり与えてしまうような、子猫に対するような彼の流儀は、最年長(まあニクスの実年齢にはかなわないけれど)のひとのそれとしてはかなり危なっかしい。
うまく表現できないけれど、アンジェその人よりもアンジェの立場に思いを注いでいるのでは?っていう感じかな。(C)

ベル兄さんの怒りの矛先というのは社会に対してだけではなく、アンジェの負担を軽減する力を持てない自分自身にも向いているのでしょう。孫子曰く「智によりて勝つが第一、威によりて勝つが第二、武器を用いるが第三、城を攻めるが最下等の策なり」とはいうものの、オーブハンターたちの活躍ぶりを見るにつけ武器を持てないのが歯がゆいでしょう。もしも彼が何かのきっかけで浄化能力を持てたとしたら、というシチュエーションを時々考えてみたりするのだけども、ウォードン・タイムズをスパッと退社して陽だまり邸にお引っ越し、なんてことになるのかなあ?? もちろんアンジェと相思相愛な場合に限ってね。(S)

ベル兄さんがジェイドの正体やレインの浄化能力が後天性だという事実を知ったら、カーライルの如く自分も肉体改造をしたら…という誘惑にかられる可能性は十分ありえるかと。だけども矜持のために力を求めたカーライルと決定的に違っているのは、タナトスと戦う目的があくまで愛しいアンジェと共に生きる明るい未来のためなんだ!というところ。そこまで思い至れば、結局はあまりにリスキーな選択を思いとどまるでしょう。そこがまさに智の男ベルナールの面目躍如たるところでしょうな。(S)

最終的には職業への誇りとアンジェ心配さの天秤がどっちに振れるかという問題な気がする。(C)

世間一般では間違いなく知性派で通る兄さんでしょうが、陽だまりメンバーを始め、このゲームの攻略対象にはやたらとカシコイ人間が集まっているのが彼の不運。せっかくの本来のアドバンテージが全然活かせません。そのかわりライバルに差をつける要素として効いてくるのが、想い出を共有していることと「家庭味」とでもいうものを知っていること、だというのは彼としてもけっこう不本意なことでしょう。まあ、何であろうとアドバンテージは使わないと、と割り切ることのできるお方でしょうけれど。(C)

ベルナール兄さんは、攻略対象の中で一番普通だし、一番わがままが言えない人なんじゃないかと思うのよね。だからアンジェに「女王にならなくてもいい」だなんて口走った時は、言った本人こそがびっくり仰天だったんじゃないかしら。(その視点でいうとアーティファクトでありながら人間を好きになってしまったジェイドはある意味わがまま度全開とも言えますな。)
新聞記者という職業がら、荒廃する大陸を眼前にベル兄さんは女王誕生が必要不可欠だと誰よりも認識を深めていったはず。リトルアンジェが立派な女王になるために、骨身を惜しまず力添えをすることが喜びとさえ感じていたことでしょう。
想定外な自分の恋心に追いつめられての「女王にならなくてもいい」という叫びは心の底ではアンジェは女王になることを決してあきらめはしないだろうと確信をしてた裏返しだったようにも思えるのですよ。(S)

そして、アンジェが女王になっても想い続ける純愛物語が一番似合うのがベル兄さんだと力説しちゃいます。レインのように聖地への道を模索することもなく、ジェイドのように地上にて待つこともなく、ただ静かに想っているストイックな兄さんに萌え〜なんでございます。(S)

…そういえば兄さんはジェイドの正体については知っているのかしら。漫画版では知っていたけれど。(C)

ベルナールがジェイドの正体を知る機会としては、やはりアンジェからの情報、というよりかは、相談される形というのがまずは考えられるでしょうね。アンジェが新聞社を訪ねるイベントが何回かあるけれども、その時に打ち明けていそうです。信頼に足るベル兄さんに虹華の森の研究施設のことを詳細に調べてもらうこともお願いできますし。つまり、アンジェと恋愛までいかなくとも信頼関係が築けないうちは、ジェイドの正体は知らぬままじゃないですかねえ。それこそビンゴトークさえあれば、段階を経てきっちり解るのですが、残念。意外にレインの部品調達ルートあたりからあっさりバレてるかもしれませんが。(S)

ルネについての情報非開示っぷりから見て、アンジェリークから明かすことはなさげ。なので陽だまり邸住人についての情報には常にアンテナを張っ ているベル兄さんがいつの間にか調べ上げている感じ?(レインの部品調達ルートというのは慧眼だわ)だから知っているとも知らないとも傍目(アンジェ目線)には不明ということかな。
とりあえずアンジェとジェイドの間の進行具合も関わるだろうしね。思った以上に複雑だなこの問題は。(C)

<かしこさとカードゲーム>

攻略対象達のかしこさの質はそれぞれ違うのでしょうが、「かしこさ」で一本化した場合のレベルは似たり寄ったりなので、この分野で他に差をつけるのは本当に難しいです。天才レインすらその知性は意外性のアクセント。人間離れした記憶力のルネもすでに人間を離れているジェイドの記憶力がある以上、それをア ピールポイントにすることはできません。ベル兄さんに有利な年長者としての世間知についてはニクスの200年が立ちふさがります。はじめから知性を売りにしていないはずのヒュウガが意外と世間知に長けていたりするあたりも侮れません。(ジェイドの知的能力についてはあまり言及されていないのですが、超感覚と記憶は確かなので付随するあれやこれやはたくさんあるでしょう。)
皆を比べるとなると連想するのがおなじみカードゲームです。 「本質的には記憶力の問題」(byニクス)とはいえこのメンバーですから、副次的な部分である駆け引きと強運さの勝負になっているのでしょう。レインが 弱いとされているのは、駆け引きがうまくないことと坊ちゃん育ち故の執着心の薄さなんでしょうか。あるいはクールが売りのはずなのに(ニクスあたりに乗せられて)つい熱くなってしまうせいかも。
ベルナールやルネがカードに参戦したらどうなるのか、ついでにせっかく四人いるのだから、雀卓を囲むとどうなるのかものすごく興味が。(C)

レインの弱さはすぐ熱くなる性格も大きいでしょうが、やはりカードゲーム自体の経験の絶対数が足りないせいかなと思います。その点ベル兄さんは、上流階層の取材のためにゲームの経験を積み重ねていたとしたら、案外強敵かもしれません。ルネの場合は、記憶力では申し分なさげですが、どうもゲームに勝つことよりも、対戦相手をいじって反応を楽しむことに重点をおくような感じがしてなりません。それでも何か勝負運のようなものを持ち合わせていて、本人も知らないうちに勝っちゃってるよー、なイメージかな。(S)

ドラクエでは「かしこさ」というパラメータがありました。ネオアンでも戦闘時に「攻撃力」「守備力」だけでなく、「かしこさ」も加味したら面白かったかも。例えばドラクエ4では、「かしこさ」は呪文の習得率にかかわってくるのだけれども、ネオアンだったらオーブの回収率を上下させる=たまに複数個、それもレアなのをもらえるとか。個人的に「かしこさ」順をつけるとしたら、カードゲームの件も参考にさせてもらうとニクス>ヒュウガ>ジェイド>レインってとこですかね。あっ、でもレインは右肩上がりに数字が上がっていく=学習能力は誰よりも高い、と一応フォローしておきましょう。(S)

「天才」レインが最後に来てしまうのがネオアンキャラ設定の恐ろしさを物語っています。
ジェイドがビンゴトークでレインのことを、びっくりするほどいっぱい考えているのに全然行動に反映させていない、というようなことを言っていましたが、なまじ頭が回るからあらゆる事態を想定して身動きがとれなくなる感じでしょうか。
カードゲームの経験値はなるほど。ベルナールもルネもそれぞれ別のタイプで強そうっていうのも同意。ついでにジェイドはいつも終わってみるとプラスマイナスゼロに収まっているのでは。(C)

レインは「天才」と呼ばれれば呼ばれるほど、行動が慎重になるのかもしれない。失敗が許されない感じで。タナトスに対しても、相手の能力が数段勝っていると判断できた場合は、アンジェに言われるまでもなくあっさり撤退しそう。
なるほど「かしこさ」は戦闘回避率に反映してもいいかも、です。(S)

<娯楽歴>

レインは研究が娯楽を兼ねているから自分からは求めないし、大学でも飛び抜けて年下だから誘われないし、財団でも特殊な地位だからやっぱり遊んでもらえなかったと思う。逆にヒュウガはあのストイックさに似合わず同年輩の仲間といろんなこと試してそうです。ジェイドは旅人としての日々でわりといろいろ経験していそうだし200歳の人は言わずもがな。
そういえば幼い頃に同性の集団に入れられて以来ずっとそこで育ったという意味で、アンジェとヒュウガは生育歴が共通している。その集団の中でもかなりまじめなメンバーだったであろうことも。(C)

ヒュウガの娯楽歴を妄想していて、まずは銀樹騎士仲間との飲み会だろうなと。で、酔いが回ってきたら皆で肩でも組んで歌い出すんだろうなと。
 調べてみたら、歴史上教会音楽は男性のみで行われてきて、女性の参加は19世紀にまでならないと認められなかったそうです。男声合唱は混声に比べたら当然音域が狭く2オクターブ半ほどしかないですが、その代わり低音域が充実していて、アカペラにも向いています。どうもディオンあたりが言い出しっぺで、銀樹騎士グリークラブみたいなのを作ってそうじゃない? もちろん親友ヒュウガも勧誘されて断れず、いやいや参加してます。さらにヒュウガはキリセ出身で剣舞もできちゃうもんだから、教団の余興大会(←年1回くらいなら許されて!)では、歌って踊れる大スターに間違いありません。(S)

銀樹騎士グリークラブの存在はともかく、少年合唱団と聖歌隊(男声)は教団に標準装備だと思う。おまけイベントで新年の祝いに教団長の前で剣舞を奉納したようなことを言っていたので、彼はむしろ余興じゃなくて教団の文化行事の一端に食い込んでいたのは確か。
剣舞と聖歌はほぼフォーマルなものとして、騎士団内のみの仲間うちだと、もっといろいろなバカ騒ぎがきっとあったと思う。仲間うちオンリーゆえの品のない暴走を酔いの回った据えた目で眺めつつ、さらに杯を重ねるヒュウガ――なんて姿、ありそうじゃないですか。(C)

<酔うヒュウガ>

ヒュウガが酒に強い体質であろうことは、CDドラマでベル兄さんと対決した時の様子で明らかでしょう。品性のあるヒュウガも酒の十徳の一つ「人と親しむ」がため、黙々と騎士仲間と飲んでいた図は目に浮かぶよう。けれどもヒュウガがさらにストイックに酒徳にあやかれたのは、聖都を去り旅の人となった後だよね。
妙にひとり酒の似合う彼。「独居の友となり」、「鬱をひらく」。カーライルのことを時には忘れてしまいたい夜もあったことでしょう。で、野宿なんかの時には「寒気の衣となる」と。そんでアンジェとは「縁を結ぶ」のに大きく役立ったわけですよ。ただよーく考えてみたら、酔って告白するほど酒に弱かったけか?
って気がしなくもない。ひょっとしてヒュウガ、作戦勝ち?(S)

いや、あれは酔った勢いとかではない。CDドラマでのうわばみっぷり、年の割にいろんな場数を踏んでいるロシュに驚かれるぐらいだから相当のもの。
ヒュウガはあらゆるところに大義名分を求める人だから、説明できないというか名分が見つからないときの避難先が「酩酊」なのだと思う。酒だけでなくて、心にまとったものを突き破って行動してしまったときの自分的言い訳として、酒とか月とか雪とか花とかアンジェとかに「酔った」ことにして心の平安を保つと。つーか「酔った」、というのが感情のままに動くときの彼的に許せる唯一の言い訳なんでしょう。(C)

「酩酊」にもたぶん色々なタイプがあって、ヒュウガの如くついつい隠された本音が出てしまう人もいるし、逆に場を盛り上げようと虚言三昧になる人もいますよねえ。いずれにしても記憶のない酔っぱらいにあれこれ後でツッコむのは粋じゃありません。
とはいうものの、イベント「月夜の鏡に映るのは」後、ヒュウガの翌日の記憶はどこまであったのでしょうか?あの夜はかなりアルコール度数の高い、ニオイスミレリキュールのお酒でも飲んでいたのか、彼らしくなくカーライルへの想いを赤裸々に語ってましたね。月光にも酔わされて、実はうっすらとした記憶しかなかったかもしれません。そういえばその直後「女王だからではなく」のスチルでも、満月が煌煌と輝いていましたね。もしかしたらアルコールより月光に弱い体質だったのかも!(S)

私、彼の「雪月花を愛でる風流人」の部分と、「あらゆる物にかこつけて美味しく酒を飲む」部分がよく見極められません。
と、そんな中なので「月に酔いやすい」は大発見!!
スミレの谷を語るとき「今日はしらふだ」といいつつもぽつぽつと語ってくれたのは月光効果なのね!!(C)

<距離感と洞察>

陽だまり邸で「同じ釜の飯を食う」ことになった5人。それぞれのプライベート感というか、仲間との距離感には微妙な差異が。夕食会の時に顕著なように、仕事以外では一定の距離を保とうとするヒュウガ。仕様通りなのか、距離を近づけようとする八方美男なジェイド。ジェイドだけはアンジェに対しても男女の区別なく接しているようなふしもありますね。
そして問題の人ニクスです。ニクスはエレボスとしては、強力なバリアが必要。
ジェイドがもし発作を聞きつけて心配してやってきたとしたら、これは言葉を尽くして二度と心配しないように説明しないといけません。だとしてもジェイドは素直に納得できたろうか? 一抹の不安は抱きつつも、やはり人の良さ(?)が邪魔して、関係を悪くするよりはとりあえずは様子見するって結論になったのか。
エルヴィンもニクスに対しては特別な対応をしていたわけで。そのあたりデータ入力できていたら、ニクスについてもっと突っ込んだ見解が出せた気もします。
うーん…ジェイドはジャスパードールとしてはちとおまぬけなレベルだったかもしれませんぞ。(か、もしくはニクスの方がジェイドの本質を見抜く力があったともいえますかね。)(S)

ジェイドは八方どころか「全方位」だものね。生きとし生けるものから無機物まで。命あるものへの憧憬と命持たざるものへの共感が根底にあるなら、なんていうかすこし哀しい、かな。
ニクスとジェイドに関しては、ニクスの洞察力の勝利に一票。頼み方を心得ているニクス、ということで。
ジェイドが来たばかりの頃、真夜中にジェイドがニクスの異変を感じ取って遠慮がちに彼の部屋の扉をノックしたところ、
「これは持病の発作で、命に別状はありませんし、時間が来れば自然に収まるのです。それよりほかの皆さん、特にマドモアゼルに心配をかけたくないのでどうかこの件は内密に…」
などと無理して作っています感丸出しの笑顔で頼まれてしまって、それを律儀に守っている、とかがありそうです。
エルヴィンは、もちろんニクスとエレボスの事情もすべて織り込み済みなので、色々周到に用意しているのではないかな。
たとえば最初に陽だまり邸に来る時点でレインをスカウト済みなのは、屋敷にアンジェとニクスの二人きりだとニクスの中のエレボスからアンジェを守りきれないかもしれないという計算があったのかも。(C)

なるほど、ニクスをも凌駕する洞察力を持っているのがエルヴィンなのね。負の要素を認識していながらも、ニクスをちゃんと「4枚の翼」の1枚としているのが、何ともすごいですね。エルヴィンが時折ニクスを嫌っている仕草をしますが、ある意味ニクスへの励ましパフォーマンスともとれるよね。
「ほらほら悪いとこ出ちゃってるよー、つけ込まれちゃうよー」みたいな。(S)

そうそう、エルヴィンはニクスとエレボスを切り分けて考えていると思うよ。
考えてみたら女王よりもエルヴィンの方が神の概念に近いかな?アニミズム的な最高神と、そのシャーマンつーか神の手の役割としての女王+守護聖という感じで。(C)

<音楽を楽しもう>

ネオアンで音楽といえばニクスのピアノですが、他の人はどうだろう。レインはお坊ちゃまなので何か教養としてヨルゴ妻に習わされていそう。それこそヴァイオリンとか。上達したかどうかは不明だけれど、たぶんたしなむ程度。ヒュウガは流浪の日々に対応した笛系で。ジェイドが想像つかない。 けっこうどんな楽器でも大丈夫な気はするけれど、マレットをたくさん持ってマリンバたたいてるとか、どうでしょう。(C)

ヒュウガは横笛いいんじゃないでしょうか。ジェイドは腕力がずば抜けてる気がするから打楽器を推奨します。南国系でもあるしコンガとかよさげ。力あまって壊さないかという不安も若干ございますが、お腹に響くくらいなええ音出しそうです。熱帯夜にコンガで「タブー」なんぞ歌われたら、アンジェもメロメロちゃいます?(S)

となると「陽だまり邸音楽会」を開催したらば、レイン=ヴァイオリン、ニクス=ピアノ、ジェイド=コンガ、ヒュウガ=横笛で四重合奏? こりゃあかなりなレベルのアレンジャーを呼ばなきゃね。面白がって「コンガ」と「横笛」で検索かけてみたら、現実にコンガと横笛とベースとボイスパーカッションを組合わせたイベントが開かれていました。さあアンジェちゃん、貴女のパートがボイスパーカッションと決まりました。早速猛練習を始めなくては。(ベースはたぶんジェットのボイパでイケル!)ちなみにこの音楽会は、マクロスの如くタナトス掃討作戦も兼ねております。(←無理やりすぎる)(S)

なんて楽しそうな音楽会。しっかし、コンガ、興が乗ったら打ち抜いてしまいそう。アンジェのボイパはなんか可愛い。これは陽だまり邸のお庭で夜かがり火などたきながら開催されると想像。
ヒュウガは横笛も似合うけれど尺八とかでもありだったり、笛じゃないけれどクロマティックハーモニカとかの哀愁漂う音色もいいかも。でもやっぱりピアノとヴァイオリンには合わせにくいなあ。
ジェイドは打楽器も似合うけれど、アコーディオンやバンドネオンのたぐいもけっこういい感じじゃない?
…と いうわけで、この編成での陽だまり邸の音楽会は、サルーンにテーブルを並べて、お客さまは皆アルコールなどたしなみながら、ちょっとジャズっぽく崩したピ アノとロマ風ヴァイオリン、バンドネオンにハーモニカ――を全部添え物にした、アンジェリークの天使の歌声を楽しむってあたりでどうでしょう。陽だまりエ ンド後の世界復興チャリティーサロンコンサートという設定で。(C)

以前ここで、アニメの後半部でオーブハンター達は生活費をどうやって捻出してたか話題に上りましたが、ジェイドのアコーディオン漫談で荒稼ぎ〜な図を描いてしまいました。ジェイドとアコーディオン、合いすぎ。(S)

<エンド後の陽だまり邸>

ハンター4人側は、ベル兄さん的な境地になってるかもね。血のつながらない兄妹はなかなか恋愛感情に発展しづらい、というか今の心地良さからついブレーキをかけてしまうでしょう。そんな中で誰かが(レインあたりが本命?)掟破りな行動に走ったとしたら芋づるで恋愛戦線に名乗りを上げそう。陽だまりエンドの醍醐味はそこしかないっしょ。あとは、ベル兄さん以下、陽だまり邸で同居していない人々とアンジェが恋に発展した場合のストーリー展開ですかね。
エレン君あたりが、アンジェの家庭教師で週1くらいやってきたら、面白いことになりそうです。
常人に返り咲いたニクスが昔の恋人とよりを戻すなんてのもありなんじゃないですか? 一つ屋根の下には、数知れない案件があるものですなあ。(S)

ニクスはたぶん180年ぐらいは異性と親密になることを避けていたのではないかと思えるので、よりを戻そうにも、もう相手は数代ぶん代替わりしているんじゃなかろうか。あ、そう思うとどこかにニクスの子孫がいる可能性っていうのもありますかね?逆に彼を独占したいエレボスが彼に子孫を残すことを許していないかもね。
彼以外に昔の恋人が出現する可能性のあるメンバーは、というと。
ジェイドは、彼に親切にしてもらったときの態度を誤解して「自分こそは彼の恋人」と思い込んでいるお嬢さんが大陸のあちこちにいるかもしれませんね。で、タナトスが出なくなったからはるばるジェイドを探して陽だまり邸に乗り込んでくるのよ。
レインも財団時代に彼を狙っていた女性達が陽だまり邸周辺で情報収集に精を出しているかもしれません。
ヒュウガだって社交界の有名人、あの人以外のところになんかお嫁にいかないもん、とだだをこねるお嬢様の一人やふたり存在したら、本人は来なくてもその周辺の人が彼の動向をきっと探りに来るでしょう。
そういう本人だけに切実な事情のあるものから、噂のオーブハンターや元・女王の卵を是非見たいという野次馬まで加わり、陽だまりエンド後の陽だまり邸周辺は不審人物横行地帯になってしまうのではないでしょうか。
これはもう、1日も早くレインに特製セキュリティシステムを完成させてもらわなくてはなりません。(C)

その通り! アルカディアに平穏が訪れたその瞬間から、陽だまり邸には静寂は許されないと思われます。時代のヒーロー伝説、ウォードン・タイムズ社からはドキュメンタリー本が発行(ベル兄も止める手立てなし!)され、舞台化なんかもされそう。セキュリティも大事ですが、ここで本領を発揮するのが往年の隠し部屋なんじゃない?
オーブハンター4人の中では、ニクスが一番ゆきずりの恋が似合う気がする。
ジェイドは本人無自覚でそういう状況になりがちですが、ニクスの場合はたぶん確信犯的に。自ら呼び込んだとはいえ、絶望的な身の上、現実逃避したい一夜が発作的にあったということは想像にかたくありません。ニクスと関わりがあった女性たちは大人な人がほとんどでしょうが、たまーに危ない橋を今一度ってことで、陽だまり邸に乗込むパターンはあるやもしれません。
それに比べてレイン&ヒュウガは基本堅物ですから、そのタイプのいざこざには縁がなさそうです。あったらそれこそ大スクープね。ベル兄もここは止めまい。(S)

ワンナイトスタンドの発想はなかったけれどそれだと該当者はニクスしかいないわね確かに。
エレボスという罪の前には、あらゆる善行も清廉さも意味をなさないのではと考えてしまうような日もあることでしょうから。(C)

<青年ニクスとエレボス>

ふと思ったのですが、ニクスはカルディナ大学を出ているのでしょうか?はて。(C)

ニクスは、幼い頃にエレボスに憑かれたので、普通に考えたら大学のような人口過密な場所には行けない気がします。ただエレボス側から考えると、カルディナ大学は、ニクス以上のダークな宿主を探すには絶好の場所かも、です。研究対象にはある種異常な愛情を注ぎ込むダークな博士族の巣窟ですから。新入生ニクスを認識した日にゃ、博士の皆さん、いちはやく正体に気づく可能性もありますね。
エレボスもうかうかしていたら逆に彼らの研究パワーの餌食になってエネルギーを吸い取られかねません。ニクスは体調不良に陥って、単位取得も思うにまかせず、早々に退学してたかも。(S)

個人的見解として、ニクスの外見年齢(公称年齢)はエレボスの力が本格発動した時点でストップしているのではないかと思っていますので、大学卒業ぐ らいまでは普通の、「ちょっと病弱で身寄りがない資産家の子弟」として生育していったのではないかと。なのでカルディナ大学に行っていた時期はあると踏んでいます。卒業したかは別として。
それよりも「ニクス以上の宿主」という発想に目から鱗。っていうか、「エレボスが200年もの間ニクスから離れなかったのはなぜか?」という事が改めてたいへん気になってきました。
単なる相性の問題なのでしょうか?どうせならもっとノリノリで世界征服を企てるタイプに乗り換えた方がエレボスも色々やりやすかったのでは。
それとも、負の思念を糧とするであろうエレボスにとっては、いやがる相手を無理矢理屈服させている状態こそが美味しいのであり、すすんで協力してくれるような相手は逆にノーサンキューなのでしょうか。さすが人外。
でもどこかにエレボスを受け入れてしまうと人として壊れてしまう、といった説明があったような。つまるところ精神が相当強靱でないとエ レボスの宿主になるのは不可能で、そのレベルの人は滅多にいないから、ニクスで間に合っている間はエレボスも積極的に探したりしないよ、ということなのでしょうかね。(C)

さてエレボスの宿主探しの件ですが、単純にダークなパワーが欲しいだけなら、ニクスじゃなくって、もっとダークパワフルな人がいたはずよね。しかも世の中類友ですから、そんな御仁には次々とダークな人々が集まってくるからエレボス的にもめっちゃおいしいわけで。「いや、なんか居心地よさげかなって…」っていう理由だったらひっくり返りますなあ。
たぶん宿主は、強靭な気力・体力・持久力が必要不可欠なのでしょう。HPをこつこつと蓄積して、ようやく動きがとれるようになったのを契機に、ニクスが森の隠者に身をやつしたのかな? 森にはもしかしたらエレボスのHP増殖を抑制する何かが存在していたので、ニクスは無自覚に助かっていた部分もあるかも。そういう駆け引きめいたものが楽しくって、彼を手放せなくなってしまってたりして。
とにもかくにもニクスからの眺めは相当にお気入りのようですな。(S)

とにかくエレボスさんはニクスさんがお気に入りって事で。案外一途なのね。(C)

<それからの篤志家>

地元の名士でしかも実際頼りになるニクスの元には、探偵事務所の看板などなくても、何か問題が起きて途方に暮れた相談がいろいろあつまるのではな いでしょうか。そしてそのうちの幾ばくかは、探偵的センスによる解決が必要だろうということで。レインやジェイドの絡み具合も絶妙じゃありませんか!(C)

<レインのサクリア属性>

個人のサクリア判定についてはどうもコズの占い師が得意にしているようです。少なくともニクスとジェイドについてはコズでの判定だということが暗に語ら れていたように記憶しています。レインが自分のサクリア属性の話をしないのは、彼のファミリーには占ってもらうという文化がない、と考えると当然といえます。(C)

<彼らの子ども時代>

どのキャラもこども時代を想像すると結構ニヤニヤしてしまうのだけれど。
レインとかヒュウガとかの、結構背伸びしてそうな豆紳士(豆騎士)ぶりとか。
病弱なお坊ちゃまとして腫れ物に触るように周囲に接せられるニクスとか。
アーティファクツに幼少期がないのが残念だけれど、考えてみればゲーム時間こそが彼らの幼年期といえるかもしれないから、それはそれで。
教団コンビはなんかかわいそうで妄想しにくい。

<マティアスの教訓>

バーナード・ショーが、人生の悲劇の一つは「心の願いが達せられないこと」、そしてもう一つが「それが達せられること」という、思わず唸らせられてしまう名言をおっしゃってますが、アニメでのマティアスにぴったしカンカンよね。人、そしてタナトスさえいない廃墟と化した聖都にたった1人残されて、居場所を求め続けてきた意味に初めて気づくマティアス。今は家にも学校にも居場所のない病める若者が増えているけれども、マティアスのように、「居場所と呼べる所には、必ず自分以外の人間が不可欠」ってことに気づくのが、大きな最初の一歩になるのじゃないかしら。そして次のステップで、自分の心を開かなければ、相手も開いてはくれないってことはジェイドが「心の鍵」というキーワードで教えてくれます。うん、なかなかの教育番組ではあーりませんか。(S)

マティアスは正直ものすごく難しい。ゲーム中では「よくわからないけれど親切そうな人」だった。アニメでは教団を財団と同じぐらいカンジワルイ組織にした 上で、教団の暗部というかひずみを一心に受けてしまった存在、というところかな。CDでは心配性なルネの保護者、知識はあっても世間知らず、という感じ。 小説版ではひたすら卑小化されて単なる勘違いの激しい人になっていたと思うのでパス。
乙女ゲームの登場人物として困るのは、彼がアンジェ リークと恋仲になる動機にも手段にも事欠いているあたりかな。まあ、恋は思案の外、だし、手段を獲得する過程こそが見所なのかもしれないけれど、その恋を想像するには欠けているピースが多くて、ほかのどのキャラクターよりも想像力というか妄想力が必要。逆にそこが面白いのかもしれないけれど、ちょっとハー ドル高めですな。(C)

<Special追加キャラ>

正直ロシュの設定の情報屋というのがわかったようなわからんような、と思っている私。フリーランスのジャーナリスト・ただし題材選ばす、って感じなのかな。とりあえず神出鬼没が売りらしいので、ゴシップネタも似合うかも。
で も、一応大陸随一と自認しているだろう格調高いウォードンタイムスではゴシップ記事は買ってもらえないだろうから、ロシュも大衆向けタブロイド紙とかに写真を売りに行くと思う。売れそうにないものをわざわざ持って行ってベル兄さんの心証を悪くしたくないものね。良きビジネスパートナーとの関係を保つためにも。(C)

ロシュのキャラ設定、ネオアンの攻略対象者では唯一アウトローな人物で、アルカディア社会の暗部の一端をまざまざと見せつけてくれた功労者とも言えるのじゃないでしょうか。まあゲームの方ではVSタナトスに忙しいので、ならず者たちとのエピソードはほとんどなかったのですが。そういえば『風哭の声』で、ジャディスのうらぶれた親父さんが多少ガラが悪かったですが、それでも最後は平和的解決になったし。ゲームシナリオ上は、ヨルゴやその部下たちが最も重要なならず者キャラを演じてた、ということなのでしょうね。特にレインに悪態をつきまくる財団の研究者! ヒュウガ以外にもやっつけてもらいたかった。(S)

ネオアンの追加キャラ4名は、全員それぞれの立場における闇の部分を背負っていたのだと改めて思ったのでした。
マティアスが教団の闇、ロシュが民間の闇。エレンフリートは財団の闇、だからアニメではヨルゴは結構いい人になっていたよね。ジェットは財団というより「アーティファクト」の闇かなと思う。
アニメはそういう世界観だったから仕方がないかな、と思うと同時に、そんなキャラクターをあらたに投入しなくてはいけないほどに、ゲーム世界が善良さにあふれていたのだ、としみじみ。
だから追加キャラがうまくゲームの本文(っていうか)に入りきれないのは残念だけれど仕方がないことなのかも。
で もああいう中途半端な形とはいえゲームに出てきてしまった以上、アニメと設定の微妙に違うゲーム世界で、彼らがどんな立ち位置なのかを一生懸命考えるのだけれど、なんかはっきりしないというか難しい。とくにマティアス。陽だまりエンド後の世界で生きる彼っていったいどんなんだろう…まあある意味捏造し放題なんだけれど。(C)

陽だまりエンド後のマティアス像は、まず教団のスタンスが決まらないことには見えてきません。女王の卵が出現してエレボスを退治したという一大イベントがあったことにより、セレスティザム教団の認知度は当然アルカディア全土の隅々まで浸透したはず。これまでのような活動ではおさめ切れない状況になっているかと思われます。財団との関係性も変えざるを得ないだろうしね。これまでルネやマティアスは、閉塞感に苛まれていた気がするので、ここは思い切ってOpenthe Door!でいく絶好の機会とも言えます。マティアスは宣教師となって、長年閉じ込められていた魔の山から脱出し、まずは温かみのある土と触れ合うところから始めてはいかがかしら?(S)

<エンド後のそれぞれの関係>

アンジェやネオアンの世界は、背後にシリアスを横たえつつ、あるいはシリアスな面が底に大きくあるからこそ、基調はあくまで平和で温かな世界。だから設定も暗い部分に触れないで匂わす程度、ご想像にお任せという調子。もちろん社会にはどうやったって暗部はできてしまうけれどあえて語らないのだと信じています。みんなそれぞれの悲しみを背負っているからこそ優しい世界なのにね。
そして、エンディング後の聖都コンビですが。
ルネは楽しく大陸中を飛び回るようになるでしょうけれど、マティアスは積極的には出て行かないで、出かけなきゃいけないときもなんだかこわごわ、って感じではなかろうか。 いったん出てしまうとそれなりに楽しくは過ごすのだけれど、出る決心をするまでが難しいタイプ。…あくまで妄想だけれどね。(C)

そんでマティマティアスですが、確かに聖都から放り出すのにはルネ様の強力な後押しがないとダメでしょう。最初のうちはコンビで出向くことになりそうです。ルネ&マティアスコンビというと、どうしてもかのDVD特典映像のお料理対決での、勝平&大典コンビのとっちらかりぶりを思い出しちゃう(あの状況、どうみてもネオロマンス的にはNGだと思うのですが)。アルカディアを二人が弥次喜多さながらに珍道中する図がまぶたに浮かんでまいります。
あとは世間知らずな頭でっかちコンビ・レイン&エレン君たちも楽しそうな二人かもしれません。エレン君はついいつもの癖でレインに命令なんかしたりして。
エレンフリート「野宿用の小屋をすぐ建てなさい」
レイン「できるか! そういえばアンジェとよく野宿をしたものだな…」
エレンフリート「なんて人なんだ。女性のアンジェに小屋を建てさせたんですか」
レイン「なんでそうなる! アンジェは魔法使いサリーじゃないんだぞ!」(S)

聖都コンビのはっちゃけ暴走っぷりは、ふたりの長期間の抑圧の反動ということで容認してあげようではありませんか。財団研究者コンビもプレッシャーと戦ってきたとはいえ、聖都コンビは自らの意志で抑圧の世界に飛び込んだわけではない分、はじけっぷりも倍増というあたりで。
それでも共通点があったり、ともに過ごした経験があったりする二人の会話は楽しく、たとえ暴走のあまりアンジェリークが置き去りになってしまったとしてもそれはそれ、と思えたりします。(C)

<「素敵」な反応>

さてさて「素敵な」という用語は便利なような危険なような、ですなあ。語源でいうと、江戸時代後期の流行語で「並みはずれたさま」の意。つまり、いい意味悪い意味両用だったということなので「素敵なガラクタ」も十分あり得る表現なわけです。まあレインとしたらば、アンジェ可愛さに(あるいは自らの精神衛生上も)いい方に解釈するしかないのでしょうが。ただエレンに言っちゃった場合は確実に「ガラクタ」の方に食いつかれてえらいことになるわね。
さらに妄想を広げますと、「素敵」発言に一番弱そうなのはやはりベル兄さんでしょうか。リトルアンジェ時代彼女がどのくらいの語彙をもっていたかにもよりますが、「しゅごーい!」とか言ってた女の子が「素敵」なんて言ってくれた日にゃ、兄さん一気呵成にオトされてしまいそう。兄さんのくっつき虫ロシュも、周りに「素敵」呼ばわりしてくれる人たちがあまり見当たらないようですので、そのボキャブラリー新鮮度がかなりやばいかもしれません。アンジェに限らず、ロシュ×ハンナとかもありかもね!(S)

ロシュが「素敵」に弱いというのはいいところ突いていると思います。あの歳であの世慣れ方、図太く生きているからこそまっすぐな謝辞に不慣れ、うんうん。
そして「バラと雑草」のたとえはかえってアンジェよりもお嬢様度が高いハンナ相手の方がよりよく当てはまるかもしれません。
…こう考えるとハンナもたいてい守備範囲広げやすいキャラだわー。(C)

「恋に恋する」乙女チックなハンナはロシュ限定でなく、とっかえひっかえなお嬢様ぶりを発揮しそうですね。一方サリーのお相手は?と頭を悩ますのですが、どのキャラもいまひとつしっくりこない。どう見ても、メルローズ女学院校長だとかクウリール女村長ら剛の者の後継となる図がお似合いな気がしてしまうんでございます。世話好きな彼女は、おそらくハンナやアンジェがしかるべく片付くまできっちり面倒をみて、ふと振返れば自分はひとりぼっち。真夜中赤ワインを片手にしんみりしちゃったり。
世話好きキャラというと、マティアスも同じ穴のむじなかもしれません。もしも陽だまりエンド後、ルネの後見役から解き放たれたとしたら、しばらくは目的を失って寂寥感におそわれるのじゃないかしらん。そうか! サリーはマティアスのお世話係って手もあるわね。(S)

マティアスとサリーとは、なんとも斬新な組み合わせだけれど、なるほど面白いかも。サリーがマティアスの世話を焼くのもいいけれど、ここはマティアスの特技・人生相談(!)を活かしてもらうのもいいのでは。
それにしても、マティアスの人生相談って…彼自身籠の鳥で俗人とは全く違う生活を送っていたのに、大丈夫なんでしょうか。聖都にある彼が記憶しなければならなかった膨大な資料の中には、人生相談に役立つものがはたしてあったのか、たいへん不思議な気がいたします。教団って言っても、聖典のたぐいがあるとも思 えないし。預言の書ぐらいはあるかもだけれど、どっちかというと宇宙の成り立ちとかその辺の科学知識っぽいものがメインな気がするのです。
は!も しかして彼はウォードンタイムスをはじめとする新聞の身の上相談ページを日頃から熟読していて、しかも系統立てて記憶していて、似たような相談には素早く 的確に対応できるとか?さながら歩く人生相談データベース。うん、たぶんこれだな。「アルカディアにおける不幸の諸相」なんて論文が書けそうですね。(C)


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