2009年オリヴィエ様バースデイ企画
 「夕食会 de 京風水菜鍋」


アンジェリーク 「そろそろ夕食会にしませんか?」
オスカー 「今日は誰が作るんだ?」
オリヴィエ 「私よーん。美的センスバッツグンな料理を用意したから楽しみにしててネ☆」
マルセル 「わあーどんなお料理だろーねっ、ランディ」
ランディ 「(俺、こういうテーブルで食べるのって苦手なんだよなあ…)」
アンジェリーク 「お腹の調子でも悪いんですか、ランディ様?」
ランディ 「いやそういうわけじゃないんだけど、昼間ベンチでうたた寝してた時に疲れる夢をみたせいかな、ハハハ」
マルセル 「わかるよ。昼間だとどうして悪夢ばっかりみちゃうんだろーね。ねぇオリヴィエ様、どうしてなんですか?」
オリヴィエ 「そんなの私が聞きたいくらいだわよっ」
他の4人 「(エーッ、夢の守護聖なのに!?)」
オリヴィエ 「とりあえず『京風水菜鍋』始めちゃいましょ、その悪夢とやらも吹っ飛ぶくらいビューティフォーで美味しいんだから!」
アンジェリーク 「ってことは…私が食べたいのは…つまり…『京風水菜鍋』なんですね」
オスカー 「『京風水菜鍋』か。ベースは西京味噌か?」
アンジェリーク 「オスカー様、よく御存知なんですね〜」
オスカー 「まあな。無粋な話ではあるが、オリヴィエとは鍋パーティをよくやるのさ、カティス秘蔵のワインを片手にな」
マルセル 「カティス様のワインですか! ぼくも早く飲めるようになりたいなあ…」
アンジェリーク 「(あれ? 聖地にいたらマルセル様、ずっと飲めないんじゃない??)」

   × × ×

オリヴィエ 「実は、今夜のお鍋のだしは醤油ベースなんだよね〜うふふふ」
マルセル 「あれ、なんだか柚の香りもしますよ」
オリヴィエ 「えらいっ、マルセル。ご褒美に今度ワインふりかけてあげる」
オスカー 「カティスが聞いたらさぞ嘆くだろうぜ。ま、お嬢ちゃんと二人きりならワインのシャワーも悪くはないがね」
アンジェリーク
「(会話が恐ろしい方向に向かっているわ…話を変えないといけないわね)
あの、オリヴィエ様…お鍋の具はどれから入れたらいいんですか?」
オリヴィエ 「ストップ! いいかいアンジェ、とにかくだし汁が沸騰するまではなーんにも入れちゃあダメ」
アンジェリーク 「はい、すみません…」
マルセル 「ぼく、もう入れちゃいました…」
ランディ 「俺、もう食べちゃいました…美味しかったですよ、この白いの煮なくても」
オスカー 「これだからお子様は。ランディ、お前が食べたのは下味をつけた京かぶらだ」
マルセル 「ランディってば、お魚ももう半分食べちゃってる!」
ランディ 「だってこの魚はもう焼いてあるからこのまんま食べるんじゃないんですか?」
オリヴィエ 「バッカじゃないの!! その『金目鯛の西京味噌漬を焼いたん』を入れるとこがこの『京風水菜鍋』のミソだっちゅーの!!」
アンジェリーク 「(ルヴァ様みたいなシャレを言ってるおしゃれなオリヴィエ様。あら私まで毒されてるう〜〜)」
オスカー 「こりゃマジでカティスの極上ワインが要りそうだぜ」

   × × ×

アンジェリーク 「デザートはいかが? 『コラーゲンプリン』を作ってみたの」
オリヴィエ 「あらあら、ちゃんと美白メニュー作っちゃってるじゃないの☆」
ランディ 「コラーゲンっていうのは、豚足にいっぱい入ってるやつかい?」
アンジェリーク 「は、はい…(何故に豚足??)」
オスカー 「さてはお嬢ちゃんも恋モードにステップアップしたのかな? あえてここじゃ相手は聞かないでおくがね」
オリヴィエ 「あんたしらふでよくそんなセリフ言えるわね」
マルセル 「でもオリヴィエ様、今日のお鍋でぼく、ちょっと酔っぱらった感じですよ…」
オリヴィエ 「みりん数滴分のアルコールで?」
アンジェリーク 「(ホントだわ、マルセル様、ほっぺが赤くてかわいい♪)」
マルセル 「ねーねー、ランディは昼間どんな悪夢をみたの?」
オリヴィエ 「話してごらんよ。このコラーゲンプリンの美味しさに免じて、このオリヴィエ様が夢占いしてあげようじゃないのさ」
アンジェリーク 「聞きたいです、その占い、とっても」
ランディ 「そんなにはっきりと覚えてるわけじゃないんだけど…虹色の豚を追いかけてたんだ」
アンジェリーク 「(それで豚足…)」
オスカー 「で、追いついたのか?」
ランディ 「はい、追いついたのは追いついたんですけど…その豚がしゃべったんです、『焼けた豚は焼豚だ』って」
オリヴィエ 「そうさねえ、その夢はズバリ『ラーメン食べたい』」

   × × ×

アンジェリーク 「オリヴィエ様、先ほどの夢占いですけど、私もやってもらっていいですか?」
オスカー 「ほおー、お嬢ちゃんはずいぶんと強心臓なんだな」
マルセル 「アンジェの夢ってにゃに色かなあ〜〜」
ランディ 「おいマルセル、大丈夫か? ちゃんとしゃべれてないぞ」
マルセル 「へーき、へーき。アンジェの夢物語を聞かにゃきゃぼく、こんにゃ眠れやしにゃいよ」
ランディ 「(もう半分目が閉じかけだぞ)」
アンジェリーク 「ここ数日みる夢で、ステージの上でピアノを弾いているんです…でも途中で音の出ない鍵盤をたたいてしまうんです…」
オリヴィエ 「なるほど。その夢のポイントはズバリどの音が出ないかってこと。今夜にでも確かめておいてネ」
アンジェリーク 「(あっこのままだと夕食会が終わってしまうわ。目配せしなくっちゃ!ってゆーか、マルセル様さっきから瞬きばっかり)」
マルセル 「(…アンジェの夢はにゃにゃ色…)」
ランディ 「仕方のないやつだなあ。おんぶしてやるから、そら屋敷に戻るぞ」
マルセル 「ランディ、大好き! アンジェも大好き! みーんな大好き!」
オリヴィエ 「アンジェリーク。この後、いい? 夢占いの続きしてあげる」
アンジェリーク 「えっ、ええと…」
オリヴィエ 「オスカーと違っていきなりおそったりしないから」
アンジェリーク 「わかりました、お待ちしてます」
オスカー 「そりゃないぜ、お嬢ちゃん」

   × × ×

オリヴィエ 「こんな夜更けに迷惑だったかな?」
アンジェリーク 「いいえ、来てくださってとっても嬉しいです」
オリヴィエ 「で、ピアノの夢だけど、出なかった音、思い出したりした?」
アンジェリーク 「それがその…実は私音痴なんです…歌自体は大好きなのに…」
オリヴィエ 「あら、でも音痴って意外にすぐ克服できるもんらしいよ」
アンジェリーク 「本当ですか!?」
オリヴィエ 「何なら私が治してあげちゃおうか? 毎晩ここに通って、なーんてね」
アンジェリーク 「(どうしよう、私、なんだか顔が真っ赤になってる気がする…)」
オリヴィエ 「アンジェにできないことなんてないさ、少なくとも私はそう信じてるから」
アンジェリーク 「オリヴィエ様…」
オリヴィエ
「…じゃあ、そろそろ帰るね。お互い夜更かしはお肌の大敵。とりあえず今夜、夢の中の音、聞き分けてみてごらんよね。(ホントは今夜添い寝してあげた方が手っ取り早いんだけどね)」
(夕食会 de 京風水菜鍋 おわり)

すばる劇場へ